2013年5月12日日曜日

思わず涙があふれるとき

みなさん、こんにちは。

今朝の大阪は快晴で、朝のランニングがこの上なく気持ちよかったです。そしてその後、朝刊を読みながらのあったかい朝のコーヒー。これが僕の至福の時間です。

そんな中、今朝の日経の記事に目が留まりました。
東邦大学の脳生理学の有田秀穂先生の研究の記事です。

そのテーマは「情動の涙」。
心温まる映画や音楽にふれると思わず涙があふれる。これを専門家の間では「情動の涙」というそうです(すみません、脳生理学は僕は詳しくありません)。

その研究とは成人100人に「フランダースの犬」や「火垂るの墓」を見てもらい、脳の血流を測るというものでした。するとそのうち9割の人が涙を流し、65%の人が「気が晴れた」、「悩みが不安が消えた」などと述べ、脳の前頭前野(脳の司令塔で、感情、理性、記憶、やる気など人間的なところを司ります)の血流が増えたそうです。前頭前野の血流が増えて、その働きが高まると交感神経優位(緊張、ストレス状態)から副交感神経優位(リラックス状態)になりました。どなたにも経験があると思いますが、涙を流すと楽になるときがあります。僕は診察の中で涙を流される方を見ると「遠慮せず、人目をはばからず思いっきり泣いてください」という気持ちになります。それが少しでもその方の気持ちを軽くできるものであれば、それも治療の一つだと考えています。

以前、お話した被災者の方が高校生たちが歌う中島みゆきさんの「時代」を聴いて被災して初めて涙を流したという話。やはり涙を流さないというのは心としてはかなり危険な状態です。虐待を受けた子供たち、非常に厳しい体験をされたPTSDの方たちもそうだと思います。

東邦大学の有田先生によると「週末だけでも思いっきり号泣してください」とのこと。僕もまったく同感です。人は大人になるとあまり感情を外に出さずに、何かあっても無意識に自分を落ち着かせよう冷静になろうとしますよね。それが大人だみたいな。それももちろん正しいと思います。でも普段からいいものに触れたときに感動したり、辛いことにぶつかって涙を流す。これは知らず知らずのうちに「自分の心を浄化してる」のだと思います。

僕は泣き上戸なので、不覚にも診察中に泣いちゃうことがあります。実は大泣きしすぎて患者さんに気付かれちゃったことも何度かあります。その時、内心は「これは精神科医として大丈夫なのか」と自分自身疑問を抱いています。僕がこの疑問を僕の師匠である行動療法の第一人者の山上敏子先生に質問したところ、「それは患者さんに感情移入しすぎ」と指摘されてしまいました。といいつつ、山上先生はかなり患者さんに優しい方ですが(笑)。

今日は久しぶりに子育ての話から離れてみました。

それではみなさん、よい週末を!

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