2014年5月14日水曜日

「京味」の西健一郎さん

最も予約が困難な店と言われる東京、新橋にある日本料理店「京味」。そのご主人、西健一郎さん。

以前からこの方の存在は知っていましたが、最近、AERAでこの方の記事を読みました。

17歳で父のツテで修業に入ったお店はカウンターのみで、客と板前が向き合って、差しで料理を出す方式。板前の技量がそのまま問われる環境だったそうです。30歳で独立して京味を開業。以来半世紀近くにわたり、志賀直哉、有吉佐和子、梅原龍三郎など時々の名だたる文化人に愛されてきた。

ご本人は権威を好まず、国からの褒章に興味を示さず、某グルメガイドの三ツ星もあっさりを断ったそうです。

かっこよすぎる!!!

「目の前のお客さまが喜ぶ顔を見たい。そしてそのお客さまに、もう一度店に来ていただきたい。それだけが大事なんです」

西さんの言葉です。

これを本気で思っているからこそ、半世紀近くも店を維持し、日本を代表する料理人になられたのでしょう。

多くの人は功名心があります。有名なお店に行くと、芸能人のサインがいっぱい張ってありますよね。~賞をもらった、テレビに出た、雑誌に出た、名刺に山盛りの肩書を書く人、あるいは「元~」みたいに自分の肩書を残したがる人、さまざまな自分を自慢したい人に出会いました。結局はみんな同じ。形はさまざまでも「自分はこんなにすごいんだぞ」というのを人に言いたいだけ。僕も含めて、むなしくて恥ずかしい行為な気がします。僕も開業するときに役立つかなと、資格というものをいくつか取ってみました。でも誰もそんな肩書きに興味はない。むしろ、それでその人をすごいと思ってしまう人は自分に基準のない人です。肩書が大切なのではなく、本当は目の前の顧客を満足させられるのか、そこが問われているわけです。

昔、司馬遼太郎さんの資料館に行ったことがあります。その時に一番感動したのは司馬遼太郎さんの名刺には「司馬遼太郎」という名前と住所、電話番号しかありませんでした。肩書はありません。もちろん日本を代表する歴史小説家であり、この上ない著名人ではあります。でも肩書がないのは著名人だからではなく、人に会うときに肩書で勝負していない、つまり、人に会うのに肩書なんてどうでもいいわけです。人に会った時の生身の自分で勝負しているからでしょう。

某グルメガイドの三ツ星もあっさりを断った西さんは生きていながら、見てる高さが違う。見てる景色が違う。畏敬の念を禁じえません。一番大切なことって、やっぱり自分の仕事に一生懸命なことだと思うんです。肩書や名誉じゃない。ひたむきに自分の仕事に向き合う西さんから学んだことでした。

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