2015年4月25日土曜日

患者が医者を育てる

今日もプロとして、こんなことを書いていいのかな、こんな精神科医っているのかなと思いながら綴ります。

これまでの僕は、なんらかの問題を抱えた患者さんにお会いしたときに持っている武器といえば、教科書の知識、医者という肩書き、患者さんの話を一生懸命に聞いて、その解決の方法を考える。こんなところでしょうか。これを全否定するつもりはありませんが、僕の中では自分がしていることが何かずっと嫌でした。これだけではいつも僕が思う、単なる町のおばちゃんに相談するのと変わらない。

数えてみると、僕は精神科医になって、まだ丸6年が過ぎたばかりです。未熟としか言いようのない年月ではありますが、精神科医になったばかりの時から、今も続けて僕のところに来てくださる患者さんがおられます。これまで僕はこれらの患者さんに対して内心、何の技術もないことを本当に申し訳なく思っていました(まさか診察中にそんなそぶりは出せませんし)。それが今になって改めて、通い続けてくださる患者さんたちを含め、出会ったすべての患者さんが僕を育ててくれたのだと心から感謝しています。なぜなら、それらの患者さんたちのおかげで、自分の無力さに気づき、自分がちゃんと使える治療技術を探そうと思えたからです。そして出会えたのが、今も勉強している行動療法、システムズ・アプローチ、ソリューション・フォーカス・アプローチです。もちろん、まだまだではありますが、最近になってようやくこれらが少しずつ自分の武器になってきていることを感じています。

「患者が医者を育てる」という言葉があります。恥ずかしながら、この言葉が今になってようやく身にしみます。これからも患者さんに育てていただきながら、少しでも治療ができる精神科医になりたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。