2015年8月17日月曜日

善行は轍迹無し(ぜんこうはてつせきなし)

精神科医が治療者として、患者さんと最後の診察をいい形で一緒に迎えることができるときは正直幸せな瞬間です。最後の診察をこちらがいい形だと意識できている時点で、患者さんは最後のあいさつにきてくれていますし、治療も成功しています。

「ここに来て支えていただきました」、「先生の声を聞きに来ていました」。

涙が出ますよね。ただ、これらの場合、僕は何がそんなに良かったのか把握できていません。こんなときに思い出す老子の言葉があります。


善行は轍迹(てつせき)無し


本当の善行は人目にはつかないという意味です。ボランティアに参加したことや寄付したことを自慢する人に会います。でもそのことを人に対して語った時点で、それ自体を善行だと考えている時点で、それは善行ではないのでしょう。知らない間に、意識していない中で人に喜んでいただけるということが人間としての幸せなのかもしれません。それでいくと、僕が上記のようなことをブログで書いている時点で善行ではありません。自分が人としてまだまだなのだと実感するわけです(笑)

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