2015年9月2日水曜日

アドバイスをしない医者になりたい

診察の中で患者さんから「この場合はどうしたらいいですか?」という質問を頻繁に受けます。僕はこれまでそれに必死に答えようとして頭を巡らせていましたし、もちろん今もです。

ある日、僕は「なぜ患者さんたちは僕にこんなにもたくさん質問するんだろう」とふと思いました。つまり診療自体が患者さんが質問して、自分が答えるということを繰り返す構造になってたのです。これは当たり前と言えば当たり前でした。どんな業界でも「先生」と名のつく人の前に立つと、人は自分の疑問や悩みの解決法をその人が教えてくれるのではにかという期待を持って、聞きたくなるものです。もちろん僕も「先生」と呼ばれる人に質問します。

つまり、僕は患者さんから質問されると、その流れに乗って、ずっと質問されたことを答えるということになっていたわけです。概して人は質問されると答えなくてはならないという制限がかかります。でも早く答えないといけないと焦って、まだ知りもしないのに、必死に答えていたわけです。この構造を作ってしまったのは他でもない僕自身だと気付きました。

ではどうすればいいのか。つまり患者さんに質問して、的確な情報が得られるまでは答えてはいけない。わかってもいないのに、焦って答えようとするから的を外してしまう。理想的には患者さんにご自身で気づいていただくことが一番でしょう。いつの日か、僕と話をしている中で患者さん自身がいつの間にか「あっ!そうだ!」とご自身で答えに気づいてもらえるような、アドバイスをしない医者になりたいと思います。

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