2017年4月8日土曜日

薬が効かなくなってる?

薬が効かなくなってるみたいなんです。

患者さんたちから本当によく聴く言葉です。医学的にこれが正しい場合もあります。例えば睡眠薬は長期間使えば、確かにだんだんと効きが悪くなります。児童精神科ではADHDに対する薬としてコンサータ、ストラテラという薬をよく使います。これらの薬は落ち着きのなさ、集中力のなさを改善してくれる薬です。実際に効果的な薬です。僕の場合、これらの薬をお出しすることが多いので、これらの薬について薬が効かなくなったと言われることがどうしても多くなります。確かに効果がなくなることは絶対ないとは言えません。しかしほとんどの場合、薬の効果が落ちたのではなく、次の2つが多いように思います。一つ目は効果が出ている患者さん本人の状態が当たり前になり、内服前に比べて改善しているのを見ている側が忘れてしまい、さらに本人への要求が高まっている場合。二つ目は患者さん本人を取り巻く状況が変化して、落ち着きや集中力が低下している場合です。もしADHDの薬を飲まれていて、効かなくなったと思われた場合、これら2つの可能性を考えてみてください。

そしてもっと根本的な薬というもので考えると、確かに、「薬=症状を改善するもの」ですが、「薬=どんな状況でも症状を改善するもの」ではありません。悩みや考え事が多すぎる時にどんなに睡眠薬を飲んでも寝れないのと同じです。これは患者さんにも医者自身にも言えることですが、「薬=症状を改善するもの」、さらには「症状が悪くなる=薬を替える、増やす」という幻想に囚われ過ぎないことが大切だと考えています。言うまでもなく、薬が万能なわけはありませんから。

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