tag:blogger.com,1999:blog-6439700452483059812024-03-25T08:51:31.861+09:00児童精神科 そう だいこう児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.comBlogger324125tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-33684182682635795672024-03-22T07:00:00.005+09:002024-03-22T07:00:00.353+09:00伝え方より聞き方<p> ずいぶん前のことです。僕がゴルフの練習をしていると、隣でレッスンを受けている中年女性がおられました。教えているコーチが尋ねます。</p><p>コーチ:最近、悩んでいる部分はありますか?</p><p>女性:ボールがどうしても左に行くんです</p><p>コーチ:あ、それはね、○○で△△で、××なことが起こっているからです。例えばね、~ってあるじゃないですか~は・・・(しばらく話続ける)</p><p>女性:あ、そうですよね・・・(それ以上話すのをやめる)</p><p>医者をはじめ教育する立場のある人に共通していることがあります。それは伝え方(内容も含めて)は習いますが、教えられる側からの話の聞き方は習っていないということです。いくら教える立場、教えられる立場であっても、それも人のコミュニケーションです。一方的に教えるだけでは効果は下がるでしょう。円滑なコミュニケーションがベースにあり、教えられる側が悩んでいること、わからないことを自由に伝えられ、教える側はそれを把握してはじめて効果的な教育につながります。臨床も同じです。</p><p>教育する立場にある人への教育は伝え方と伝える内容であふれています。もちろん伝え方は大切ですが、聞き方があってはじめて伝え方が生きてくるのだと思います。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-43968347700518493162024-03-15T07:00:00.002+09:002024-03-15T07:00:00.255+09:00これでいいのだ!<p> 先日のアナザーストーリーは天才バカボンの作者、赤塚不二夫さんでした。天才バカボンの名セリフはいくつもありますが、その中でも有名なのが「これでいいのだ!」。番組の中でナレーターの方がこんなことを言っていました。</p><p>「これでいいのだ!」はどんな現実も受け入れてしまう魔法の言葉</p><div>この中にはどんな時でも前を向いて生きろという力強いメッセージが含まれているのだと思います。</div>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-4855784615743372892024-03-08T07:00:00.003+09:002024-03-12T17:15:07.260+09:00人が本当にしんどいことを告白するとき<p>人が本当にしんどいことを告白するときは、答えがほしいわけじゃない。ただわかってほしいだけ。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-1617476721474018162024-03-01T07:00:00.004+09:002024-03-12T17:14:50.966+09:00何かを成し遂げたことそのものよりその過程のほうが愛おしい<p> あんなに目標にしていたのに、死ぬほど望んでいたことなにの、それを成し遂げたあとはなぜか満たされない。そんな経験をしたことありませんか?成し遂げたらどんなに幸せなんだろうと幾度となく夢想を繰り返してきたのに。時間が経つと、その過程は言葉にできないくらい辛かったはずなのに後から思えばなぜか懐かしく、愛おしい。成し遂げた瞬間よりもそれに至る過程のほうが人生全体で見ると大切だったと感じる。人は成し遂げたことそのものよりも、そのために努力した時間のほうが長い分、その過程をより愛するのかもしれません。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-75688383022571188412024-02-23T07:00:00.002+09:002024-03-12T17:13:51.616+09:00スゴイと思われるよりも心に余裕があるほうがいい<p> 馬鹿にされたくない、スゴいと思われたい。肩に力が入るような考えは時に必要で、それが人を成長させる側面は確かにあります。でもそんなことはずっとできない。馬鹿にされても、スゴいと思われなくてもええやん、それで。そんなことより心に余裕があるほうがいい。幸せは人に認められることじゃなくて、自分の心が充満していることだから。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-87296024394446839302024-02-16T07:00:00.003+09:002024-02-16T07:00:00.258+09:00「言葉のちから」<p> 今の僕には週1回の楽しみがあります。土曜日の新聞です。今の日経新聞の土曜日には批評家の若松英輔さんの「言葉のちから」という連載があります。恥ずかしい話ですが、土曜日の朝に新聞を一面からめくっていくときにちょっとワクワクしている自分がいます。その中で若松さんは言葉というものの深遠さをあらゆる角度から語ってくれて、ふっと力が抜けたり、はっとする視点を与えてくれます。先日はこんな言葉がありました。</p><p>状況を変えるのは、いつ訪れるか分からない幸運であるよりも、たった一つの言葉である</p><p>心が辛いとき、状況が変われば楽になることはあります。でも本当に辛いときは状況が変わるのなんて待っていられません。もっと言うならば、状況が変わっても必ずしも心が楽になるわけではないことを経験上みんな知っています。一方で、たった一つの言葉に救われることがあるのも経験上みんな知っています。</p><p>僕も言葉を扱う仕事をしており、患者さんと言葉を交わすことで患者さんに楽になってもらうのが精神科医の本懐だと思っています。ご存じの通り、言葉は諸刃の剣です。人を傷つけることも癒すこともあります。言葉に治療的に働いてもらうために「言葉のちから」をもっと信じたいと思いました。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-82375373460874916782024-02-09T07:00:00.001+09:002024-02-09T07:00:00.157+09:00人は自分だけだと思っていた感覚を誰かと共有できると救われる<p>先日の新聞に映画「月はどっちに出ている」「血と骨」などの脚本を手掛けた劇作家・演出家で在日韓国人の鄭義信(ちょん・うぃしん)さんの文章がありました。仕事で年に何回かソウルに行き、滞在している間は朝にサウナに行くのが日課だそうです。去年の11月末の寒い日の朝、鄭さんがサウナから出てきて汗が引かずに入り口でぼーっと出勤する人たちを眺めていたときのことです。以下は鄭さんの文章です。</p><p>かなしみでもなく、さびしさでもない、言葉で言い表せない感情が湧き上がってくる。僕はなんでこの国に生まれなかったんだろう。この国で僕は異邦人で、日本でも異邦人である。この国に呼ばれ、作、演出の仕事をすることはたびたびある。けれどたどたどしい韓国語しか話せず、生活風習も異なる僕は、彼ら韓国人俳優、スタッフたちにとってどこまでも外国人演出家にすぎないだろう。</p><p>これは僕が21歳だったときに感じたことと全く同じでした。当時の僕は大学3年生でその年の終わりの春休みにソウルを訪れました。3月初旬のソウルはまだまだ寒さが残っており、風が吹くと細い針で肌を突き刺されるようでした。お昼に少し寒さが和らぎ、時間が空いた僕は大学路という街の交差点をなにげなく歩いていました。お昼休みでたくさんの働く人たちが行きかうのを見ていると、空から僕をめがけて電気が落ちてきて、全身に鳥肌が立ったのです。咄嗟に何が起こったのか理解できませんでした。それと同時に、なんで僕はこの国に生まれなかったんやろう、韓国語を話せずここの生活習慣を知らない僕はここでは外国人、日本でも外国人。どこにも属せない自分はどうしたらいいのか。それなら限りなく韓国人に近づけるよう、韓国語を話せるようになりたい。そこから僕は韓国語の勉強を始めました。</p><p>最終的に韓国語の勉強を始めた僕は鄭さんとは違いますが、ソウルの街でインスピレーションのように感じたことは同じでした。僕と同じことを感じる人がこの世にいたことがとてもうれしくなりました。人は誰しも他の人には理解しがたい感覚を一人で抱えて生きているものです。そんな感覚を誰かと共有できたとき、人は救われます。それがたとえ直接会った人との会話でなく、本や映画を通してでも。</p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-11602019191195309772024-02-02T07:00:00.001+09:002024-02-02T07:00:00.130+09:00「人生」は魅力的<p> 先日の古舘伊知郎さんの言葉が頭から離れません。</p><p>人生がわからないことだらけだから。自分がなぜ生まれて来たかも、どうやって死んでいくのかもわからない。</p><p>この言葉からこんなことを思いました。僕はだいたいこのブログでなんでこんなにも人生のことを書いているのか。それも偉そうに。でも気づいたんです。それはおそらく、僕が人生というもののシルエットさえ見えていないから。だからあーでもこない、こーでもないと頭の中で影も形もわからない人生についてこねくり回しているのだと思います。でも僕は人生がどんなものであるかを少しでも知って死んでいきたいです。それくらい「人生」というもの自体が魅力的だから。毎日のように自分の頭では理解できないことがあって苦しいことも多いけど、たまに嬉しいことがあるので。その複雑さにどうしても魅かれるのだと思います。</p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-65413025641028105412024-01-26T07:00:00.006+09:002024-01-26T07:00:00.237+09:00苦しいときほど他人の人生は楽に見える<p>苦しいときほど他人の人生は楽に見える</p><p>そんなはずはないのに。わかっていても人はそう思ってしまうものです。</p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-58372455922363105492024-01-19T07:00:00.002+09:002024-01-19T07:00:00.131+09:00間違っていてもいいから親としてベストだと思うことを伝える<p>「お父さんはどっちのチームを応援してるんですか?」</p><p>野球を見ていると小学3年の末っ子が僕に話しかけてきました。</p><p>「~のほうだよ」</p><p>「どうしてですか?」</p><p>「弱いチームが強いチームに勝つほうがお父さんは嬉しいから」</p><p>その後、末っ子も僕が応援しているチームを応援しだしました。その姿を見てドキッとしました。子どもは僕が言ったことをそのまま信じてしまうんだ。僕なりに一生懸命育児をしてきましたが、改めてその責任の重さを感じる瞬間でした。育児は透明の水に色のついた絵具を落とすようなものです。どんな色を落とすかは親次第。それは子どもが小さければ小さいほど影響力が大きく、その後は親以外の色も混ざってその子なりの色になっていく。</p><p>すると序盤の色を何にするかを決める親は育児をしながら「これで本当にいいのか」と逡巡することはしょっちゅうあります。僕もそうです。そのとき思うのは「間違っていてもいいから親としてベストだと思うことを伝える」。それでいいのではないかと思います。親だって何が正解が分からない人生を生きている途上ですから。</p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-46263063531979339032024-01-12T07:00:00.003+09:002024-01-12T07:00:00.133+09:00誰に認めてもらえるかが大切<p> 今回が最後のヒロシさんの話です。これはヒロシさんの言葉です。</p><p>売れた途端にあまり仲良くなかった友達からバンバン連絡がきた。学校の先生からも。すっきりしなかった。ほら、見ただろって思えなかった。そこ一点を目指してがんばってきたのに。</p><p>当然ですよね。親しくもない、自分のことを知りもしない人に認められても嬉しくない。人って誰に認めてもらえるかが大切だから。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-64345263000014256532024-01-05T07:00:00.002+09:002024-01-05T07:00:00.140+09:00悔しさは人を救う<p>前回に続き、ヒロシさんの話です。いじめられていたヒロシさんが小学校で毎月行われる誕生日会でドリフターズのモノマネをしたら受けたそうです。でも小学校のピラミッドの上層部にいる子たちは面白くもないのに受けていた。そのときヒロシさんは「全然面白くない、全然面白くない」と一人で思っていた。小学校、中学校、高校とその生活が続いた。でも心の中で思っているだけじゃ証明にならない。自分のほうが面白いんだということを証明するために芸人になった。</p><p>俺はいつかお笑い芸人になってあなたたちよりもいいお金をもらっていい生活をする、もっと面白いことをやってやる。(その思いで)嫌なことがあるたびに自分の心を消化させてきた。意地でも売れなきゃと思って一人で考えたネタが「ヒロシです」だった。</p><p>生きていると悔しい思いをすることがあります。でもヒロシさんの話を聞いていると、悔しさは人を救う。そう思うのです。</p><p><br /></p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-59080125102574018342023-12-29T07:00:00.002+09:002023-12-29T07:00:00.133+09:00集団の中での孤独が一番さみしい<p>先日、スイッチインタビューの再放送を見ました。BUCK-TICKのボーカルの櫻井敦司さんと芸人のヒロシさんでした。</p><p>その中でこんな話がありました。ヒロシさんは子どものとき友達が少なく一人で遊んでいることが多かったそうです。さらには いじめまで。。集団でいるときはわーってみんなで遊んでるのに、チーム分けになると途端にはぶられて一人になってしまう。</p><p>これって多くの人がしている経験ではないでしょうか。僕も小学校のころ何かでチームを決めるたびに自分だけそこに入れなかったことが何度もありました。そして親しくもないのにあぶれた子たちでチームを作って微妙な空気が流れたり、先生が僕の相手をしてくれるのです。それは筆舌に尽くしがたいものでした。</p><p>ヒロシさんは続けます。</p><p>「一人でいることはさみしくない。何がさみしいって集団の中での孤独が一番さみしい」</p><p>ドキッとしました。この言葉って実はみんなに言えることじゃないかと思うのです。一人でいるときにさみしいと思うのは、みんなから離れていることを感じるから、社会という集団の中で自分だけ孤立していると感じるからさみしい、いや、怖いってなるのだと思います。それは子どもだけじゃありません。診療をしていると主婦の方がよくおっしゃいます。「ずっと家にいると社会から離れて役にたってない自分、って思うと不安になってくる」と。大人も同じです。ヒロシさんの言葉は人の心理の核心をついていると思いました。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-69685018892902983682023-12-22T07:00:00.004+09:002023-12-22T11:34:48.481+09:00人の心の美しさ<p></p><div class="separator" style="clear: both; text-align: justify;"><span style="text-align: left;"> </span></div><div class="separator" style="clear: both; text-align: justify;"><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEia0wE2FmTx-qukzzBnxRD5PSSspZkKLqzG6k5P2v3JK1hYGBrwrqzFqdn9dxeiqIv6u6_6fCaEj5RswJRg5d4VK020ttvj4_fuVj3o9zAmWWQ2Q2Kvgwxrhi0pFngAYn_PE82PGTYDdAcXKDFlsOBq10VnHw8omJ4KIkhTpQ2KICbS00tol_z8LlER-m0/s4000/20231128_122833.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="4000" data-original-width="3000" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEia0wE2FmTx-qukzzBnxRD5PSSspZkKLqzG6k5P2v3JK1hYGBrwrqzFqdn9dxeiqIv6u6_6fCaEj5RswJRg5d4VK020ttvj4_fuVj3o9zAmWWQ2Q2Kvgwxrhi0pFngAYn_PE82PGTYDdAcXKDFlsOBq10VnHw8omJ4KIkhTpQ2KICbS00tol_z8LlER-m0/s320/20231128_122833.jpg" width="240" /></a></div><br /><div class="separator" style="clear: both; text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhTK6kzJm0c_crVKK-rDer8pz0dEe7naSgq1YGdaGC_Ai6fryDRZW3tvG-XwrglE4wV3IsTdRcUFkWaKFqMTcqCWCxGR_IeGysJa-8WmLRtVq0cbJSC6Q9xUQjWldv3O0e4QtruDE3up4WT0K1R9skcUEyqZ9k8PtRzbtgKBksJh1UfVoGEgn8vC9JHj1I/s4000/20231128_122855.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="4000" data-original-width="3000" height="320" 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先日のスイッチインタビューはフリーアナウンサーの古舘伊知郎さんと芸人の山里亮太さんでした。お二人ともが「しゃべること」を生業にされている方です。自分の中からしゃべることが湧いてこないという山里さんが古舘さんに「しゃべることが自分の中から湧いてくる原動力ってなんですか?」という質問に古舘さんは「人生がわからないことだらけだから。自分がなぜ生まれて来たかも、どうやって死んでいくのかもわからない。だから、みんなこんなこと思ってませんか?っていう思いが湧いてきてしゃべっている」という主旨のことをおっしゃいました。</p><p>僕は以前からお二人ともが他の人と違った視点で物事を見ている方でありながら、とても心配りのできる方だととても尊敬していました。なのでこの番組を見たのですが、古舘さんのこの言葉には脱帽でした。特に「人生はわからないことだらけ」という部分。人はみんな人生についてわかったようなことを言います。もちろん僕も同様です。でもみんな実際はわかっているわけです。一生かけても人生なんてわかるわけがないことを。過去にあったこともどうしてあんなことが起こったのか、今もどうしてここに暮らしているのか、なぜ今の家族なのか、これからどうなるのか、とどのつまり自分はどこに向かって生きているのか。まったくわからないわけです。不安だからこそ自分なりに人生を総括して、「人生ってこういうものだ」って言いたくなるわけです。でもわからないものをわからないと意識できていること、それを言語化できていることがすごいと思いました。意識して言語化するためには普段から相当物事を突き詰めて考えていないからです。</p><p>話は脱線しますが、この番組の中で古舘さんが純粋な気持ちで少年のように思い悩んでいる山里さんの膝を叩いてまで山里さんの悩みに答え、心から応援する姿、時に「偉そうなこと」を言ったと自分にブレーキをかける謙虚な古舘さんに感動しました。</p><p>ふっと涙がこぼれるスイッチインタビュー。ありがとうございました。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-67546395584364183902023-12-08T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:41:06.113+09:00自分がしていることを信じる<p>信じること。</p><p>本当によく聞く言葉です。その最たるものが宗教であり、太古の昔からある祈りもその一種ではないかと思います。なんでこんなにも人は何かを信じようとするのか。それは人生にはそれまでのどんな経験や知識をもってしても通じないことがあるからです。頭の中でどんなにつじつまを合わせようとしてもうまくいかない。だから人は心の平穏を得るために「信じること」をするのだと思います。逆に、信じることができれば平穏が訪れます。特に自分がしていることを信じられれば。</p><p>先日の新聞にこんな言葉がありました。その記事を寄稿されている方が昔上司に言われた言葉だそうです。</p><p>「正しいことをやっているか。そう確信できるのなら必ず光が見える。やり続けるんだ」</p><p>自分のしていることが正しかったら、どこまでもそれを信じ続けること。人生の有事ではほとんどの場合、人は自分で乗り越えなければなりません。そんなとき自分がしていることを信じることは、どんな偉い人の言葉よりも自分を奮い立たせてくれるのだと思います。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-68389964060667320842023-12-01T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:41:18.686+09:00ものの見方と心の状態<p> ものの見方を変えると心の状態は変わるし、心の状態を変えるとものの見方も変わります。その二つは相互作用でつながっているように思います。ものの見方から変えてもいいし、自分の心の状態から変えてもいい。つまり物事を肯定的に見れば、自分の心に余裕ができるし、心の余裕を持てば、物事を肯定的に見やすくなる。自分が変えやすい方から変えてみるといいと思います。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-83738820090769645252023-11-24T07:00:00.004+09:002023-12-22T11:41:39.027+09:00見え方は思考によって変わる<p>人は否定的になると視野は狭まり、肯定的になると視野が広がります。たとえば、誰かを否定するときそはその人の一部しか見えていないけど、肯定するときはその人を広く見ることができます。どちらがいいかは言うまでもありませんが、物事をどう見るかで人生の景色は変わってきます。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-55020824584249687212023-11-17T07:00:00.005+09:002023-12-22T11:41:52.408+09:00ここで働きたいと思う人が働いてくれたらいい<p>テレビで見た北新地のママの言葉です。高級クラブでの人の出入りは相当なものだと思います。それと比較すれば僕の悩みは小さすぎますが、小さいながらクリニックを運営している者として人の雇用について悩むことがあります。自営業で人を雇用する立場にある人ならみんな同じ悩みを持っておられるはずです。そんなとき、この言葉は悩んだ末に行きつく境地のようで、支えになってくれる言葉だと思います。</p><div><br /></div>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-26706344171475342772023-11-10T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:42:06.277+09:00苦しいことがあったその日の夜に<p>それまでの人生で経験したことがないくらい苦しいことがあったときは、その日の最後に自分にこんな言葉をかけてあげてください。</p><p>「今日も生き抜いた」</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-3912402271486687382023-11-03T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:42:25.453+09:00私を相手にしてくれない人たちがいて幸運だった<p>先日のNHKの再放送で新型コロナウイルスのワクチンのもとになったmRNAワクチンを作ったカタリン・カリコ先生が真剣な表情でこんなお話をされていました。</p><p>私のことをヒーローという人がいますが、それは違います。患者を治療する医師や看護師、それに清掃作業の人たち。感染のリスクがあり命を危険にさらしている彼らこそがヒーローです。私はただ研究室にいただけです。</p><p>これはカリコ先生が謙虚だから、あるいは謙遜しているのではなく、先生の本心だと思うのです。先生は最後にこんなことも言っていました。</p><p>自分が(新型コロナウイルスの)ワクチンを打っているとき私を相手にしてくれなかった人たちのことを思い出しました。でも幸運だったと思います。彼らがいなければここまでたどり着かず、今回のワクチンもできなかったかもしれません。「もっといい実験をしたい。効果を証明したい」と思ったことで研究が進み、科学が進歩したのです。</p><p>人は自分が一生懸命していることを相手にされない経験をすることがあります。僕はこの言葉にとても勇気づけられました。多くの人を支えてくれる言葉だと思い、ブログに書きました。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-19996419375900534332023-10-27T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:42:42.675+09:00人生は、本当の意味で受け取るのに時間を要する言葉との、邂逅の連続でもある<p> 今、日経新聞で毎週土曜日に若松英輔さんのコラムがあり、僕は毎週土曜日の朝を楽しみにしています。先日の内容はこのようなものでした。</p><p>仕事の人だったお父様は生前、若松さんが仕事で忙しいのを知っていながら「からだに気を付けろ、無理をするな、誠実な仕事をしろ、雑誌に載った文章を読んだ」という主旨の電話を繰り返しかけてきたそうです。そのとき若松さんはそんなことで電話してほしくないと思ったといいます。そしてお父様が亡くなられて月日が経ってからその真意に気づいたそうです。</p><p>真摯なおもいから発せられた言葉は、たとえ出会ったときにその真意がわからなくても心の片隅に置いておくのがよい。人生は、本当の意味で受け取るのに時間を要する言葉との、邂逅の連続でもある。</p><p>若松さんの言葉です。人生を生きていれば誰しもが感じていることではないでしょうか。</p><p><br /></p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-84644387297682718762023-10-20T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:42:54.844+09:00お互いが感謝しているときが最もいい状態<p> 対人関係は人生における大きなテーマの一つです。対人関係が最もいい状態とはお互いが感謝しているとき。僕はそう思っています。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-65292111002078948982023-10-13T07:00:00.002+09:002023-12-22T11:43:09.867+09:00自分の気持ちを分かってほしい<p>仕事をしている人なら誰でもクライエントから心無いことを言われたことがあると思います。僕も同じです。それを何回も経験していると、なぜ患者さんがそんなことを言ったのかの理由が少しずつ見えてきました。そのほとんどの人は僕やスタッフが憎くて言ったのではなく、自分の気持ちを分かってほしくて言っていたのでした。これはどんな職種でも同じではないかと思いました。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-643970045248305981.post-68752181960544641222023-10-06T07:00:00.001+09:002023-12-22T11:43:22.506+09:00お客さんへの心遣いにエネルギーを使う<p>先日、お昼過ぎにとてもお腹がすいていました。街を歩いていると、とてもいい炭火焼きの魚の匂いがするのです。心の中でよだれが止まらず惹きつけられるようにそのお店に入っていきました。ところが対応してくれた店員さんは疲れていたのかトーンの低い声で「いらっしゃいませ」と。その瞬間、お店に入る前にあんなに大きかった食べたい僕の気持ちは半減していました。小さなクリニックをしている僕は人のことを言っている場合でありません。お客さんにとっては自分が歓迎されているかどうかでそのお店の味が決まってしまう。働く人だっていつも元気なわけではありません。でも働く人はお客さんへの心遣いにエネルギーを使うのであり、お客さんはそこにお金を払うのです。とても勉強になりながらも緊張した瞬間でした。</p>児童精神科医 そうだいこうhttp://www.blogger.com/profile/09559440923496816994noreply@blogger.com0