2022年12月2日金曜日

人の判断は善悪ではなく、損得と好き嫌いでなされている

 人は善悪を判断しそれを声高に主張するが、人は個人としての損得、好き嫌いがあってしまう。変に善であろうとするのではなく、損得と好き嫌いにしたがって合理的に判断すればいい。

作家の町田康さんの言葉です。僕は損得までは気づいていませんでしたが、人間は善悪と自分の好き嫌いを勘違いしてしまうと思っていました。以前からそんなことをずっと思っていたのでうれしくなってブログに書いてみました。どうしても人は善悪を語りたがりますが、そこには損得と好き嫌いはあってしまう。みんなそれにうすうす気づいているけど、何かの対象について考えているうちにいつの間にか自分の考えに入り込みすぎて、それが絶対善、絶対悪になってしまう。そんなことが少し意識化できるだけで、少し視野が広がって考え方に広がりが生まれるのだと思います。


2022年11月25日金曜日

叱るなこども きた道 わらうな年寄り これから行く道

10月の私の履歴書は漫才師の西川きよしさんでした。これは頼まれて揮毫するときに書く言葉だそうです。

人はどうしても今の自分の基準や立場で人にあれこれ言ってしまいます。でも冷静に考えれば、今の自分とは今だけであって、それはほんの一瞬です。それをこの言葉は教えてくれました。

2022年11月18日金曜日

人がいてくれることに感謝

 長野県の松本市で学会がありました。それで、これまでずっと行きたいと思っていた上高地まで足を伸ばしてみました。上高地は自然を保存し、守っていくためにマイカーでの進入できない地域に指定されており、たばこやごみポイ捨てをできないようバスの中で放送されていました。






そこには普段都会に暮らす僕には見たことのない景色が広がっていました。すでに紅葉は十分に色づいており、朝には霜が一面に広がっていました。上高地の自然に神々しさを感じて鳥肌が立ちました。



翌朝7時に一人で散歩をしていると、クマに注意の看板を見つけました。「クマを驚かせないように」との注意書き。僕はこれをはじめ「驚かないように」と読み違えて、それは無理だろ!と一人でブツブツ突っ込んでいました。

その看板を見てから道を進んでいくと、明らかにさっき体外に排出されたばかりの湿った動物の糞が道に落ちているのが目に入りました。一度それに気づいてしまうとどんどん目に入ってきて、周囲にいくつもあることに気付きました。ふと振り返ってそれまで歩いてきた道を見ると、道路の上に小さな黒い緑のかたまりが点在していたのです。朝が早いのでそれまでの道中誰にも会っておらず、当然周りに人影はありません。次の瞬間、ササっと音がしました。でもそっちを見ることができません。周囲の林にある笹が揺れていたのでした。ようやく頭を上げて辺りを見渡しても何もいません。斜め後ろから冷たい風が僕をからかうように吹きつけます。それでも横に流れる美しい梓川を見ているとどうしても河畔を歩きたくなって、勝手に足が前に行こうとします。頭ではこれ以上進んではいけないとわかっているのに。そのときでした。後ろから車が何台か連続で来てくれたのです。普段は歩いているときに車が来てもそのまま気にせず歩き進めるくせに、このときばかりは車が来てくれた、人がいてくれたことがありがたくて、立ち止まって道をしっかりと譲りました。すると運転手さんが頭を下げてくれました。僕は思わず、その人より深く頭を下げたのでした。










2022年11月11日金曜日

患者さんが僕を元気にしてくれる

僕もいつもコンディションが万全というわけではありません。その日の僕は忙しさによる疲れから朝から身体が重く、診療しながらも内心は穏やかな状態ではありませんでした。そんなある日、久しぶりに来られた患者さんがおられました。その患者さんは入ってきた瞬間に「先生、変わられませんね。今回もお世話になります」と声を掛けてくださいました。その方のお言葉もそうですが、その表情や態度からその方が僕のことを信頼してくださってることが伝わってくるのです。

以前にもブログに書いたのですが、僭越ながら僕が患者さんの心を楽にできることもありますが、患者さんが僕の心を楽にしてくださることがあります。事実として患者さんが医者のことを救ったり、楽にしたり、元気にしたりすることがあるということです。そんなときは本当にありがたい気持ちになって、その方に手を合わせたくなります。その方のおかげで僕は力をいただき、また立ち上がって他の患者さんの治療に集中できるのです。どの仕事も同じだと思いますが、自分のことを信頼し、頼ってくださる方がおられる、それだけで職業人は仕事を続けていけるのだと思います。

2022年11月4日金曜日

助からないと思っても助かっている

 将棋界の超人と言われた大山康晴さんの言葉です。69年の人生で、A級というプロ棋士の頂点の地位を46年保ち続け、そののまま逝った方です。壮絶なまでの大山さんの人生から絞り出された生きるためのエキスであり、どん底にいる人たちを救ってくれる言葉だと思います。