2024年7月26日金曜日

タクシーでの独演会

 僕はタクシーに乗るとどういうわけか運転手さんに話しかけられ、いや正確には独演会をされることが多い。

 先日も札幌でタクシーに乗って行き先を告げると「北海道の方ではないんですね、どちらの方ですか?」と話しかけられ、大阪ですと答えると「関西弁っぽくないですね」から始まり、大阪城に行ってみたいという話、枚方にアイヌ民族の首長のお墓がある話、果ては日本の歴史、今の政治にまで話が及んだところで目的地に到着。この日は約20分間の独演会となった。その間、僕がしたことと言えば「そうだったんですね」「お詳しいんですね」の二言を繰り返すのみ。

 いつも家内から「お願いだからタクシーでは黙ってて」と注意されるのだが、話しかけてこられるのに黙っているわけにもいかない。疲れないかと言われれば嘘になるが、機嫌よく話をしてくださると降りるときの気分もいい。

 もちろんタクシーの運転手さんは一人の時間が長いということもあるのだろう。それにしても仕事以外で初対面の人からこんなにも長く話をされる場面は僕の生活にはない。同じような経験をされている方は多いのではないだろうか。

2024年7月19日金曜日

自分が思っているほど相手に悪意はない

 人の行動や言動を見ていて、自分にはとても理解できず、「悪い」と解釈することがある。でも後から詳しく聞いてみると、実は悪気はなかった、気づいてなかっただけ、一生懸命した末に悪い結果になってしまった、みたいなことをしょっちゅう経験する。悪意がある人はいないとは言わないまでも、自分が思っているほど相手には悪意がないのだと思う。

2024年7月12日金曜日

人の悪口ではなく、人の良い部分を話す人と付き合ったほうがいい

 テレビで聞いた言葉です。

どんな人と付き合うのかはどうしても判断を誤ることがあります。この言葉のおかげで、気持ちがどこかすっきりしました。


2024年7月5日金曜日

同じことでもどう対応するかで相手の気持ちが変わってくる

 先日、アウトドアチェアを買いたくて、あるお店に入りました。アウトドアチェアについて知識が皆無の僕は、店長さんと思われる方に希望を伝え、いろいろと質問しました。店長さんは穏やかに説明してくださり、それほど広くない店内であるにもかかわらず、僕の希望に合ったものをすべて広げて見せてくれました。気に入ったものが見つかったものの、他のお店も見てみたいと伝えると「どうぞどうぞ、他のお店も見てきてください」とおっしゃりながら、他のアウトドアチェアがあるお店の位置まで教えてくださいました。教えていただいたお店に行き、そこの店員さんは僕が希望を伝えると案内はしてくれたものの、箱に入ってるので商品は見せられない、で対応が終了ました。

 2人のあまりの違いにどう対応するかでこんなにも気分が違うのかと改めて感じながら、僕ら自身が気を付けないといけないと自戒の念を覚えました。吉川英治の「われ以外みなわが師」という言葉。やはり至言です。

2024年6月28日金曜日

人に助けてもらう経験が人を助ける経験につながる


 日本で一番大きな精神科の学会が札幌であり、この学会では14年ぶりに発表をした。学会発表には大きく2つあり、一つは口頭発表、もう一つはポスター発表である。

 今回ポスター発表をすることになり、背の低い僕が横幅90㎝、縦幅150㎝のポスターを椅子に上って一人で貼っていた時のことだった。見知らぬ男性が来られて「一人で大変ではないですか?お手伝いしますよ」と声を掛けてくださった。思わず「こんな優しい方がおられるんですね」と口走ってしまった。僕がポスターを持ち、その方が画鋲をご自分の掌に載せて横に立ってくださった。ポスターの前で写真まで撮ってくださった。名札を見るとその方はある製薬会社の社員さんだった。でもそこには何の打算もなく、ただ人を助けるという姿勢が感じられた。

 お礼を言って別れたあと、会場を歩いているとさっきまでの僕と同じように一人でポスターを貼っている方を見かけ、僕はすぐに駆け寄りお手伝いすることにした。

 もしあの方にお会いしなかったら、すぐに駆け寄ったりしただろうか。僕の人格レベルでは疑わしい。人に助けていただいたおかげで、僕もほかの人を助けたいと素直に思えた経験であった。