2017年8月18日金曜日

治療者が治すのではなく、その人が治る(治す)のだ

病院やカウンセリングルームに行くと、そこの専門家の偉い先生が治してくれると期待していきます。これはかくいう僕も患者の立場で病院に行く時はそれを期待していきます。でも実際はどうなのでしょうか。僕は精神療法を勉強して、その考えに変化が起きました。それでもう一度これまでの自分の臨床を振り返って、考え直してみたんです。

僕は小児科臨床や精神科臨床しか直接自分が経験したことはありませんが、その中でもそうでした。小児科では患者さん自身の力(体力、治癒力、免疫力)がないと薬は使えませんし、重要な処置も行えません。特に生命の危機状態にある子供たちには、その治癒力、生命力の大きさには日常的に驚かされていました。精神科でも患者さんやそのご家族のもともと持たれている強み(例:家族の結束が固い、家族それぞれが強く干渉しない)、得意なこと(例:スポーツが得意、字が綺麗に書ける)、性格(例:優しい、思いやりがある、頑張り屋さん)などが治療において大きな力を発して、よくなっていかれる患者さんに日常的に多く出会います。これらも全て患者さんやご家族の力です。決して僕が提供するものではありません。さらに言うならば、物理的に手術を受けるということでさえ、その患者さん自身の力が治療の中ではかなり大きな部分を占めます。もし患者さんの力がなければ、その手術を行うことさえできません。

患者さんは治療者が治すのではなく、その人やご家族の力で治るのであり、その方々が治すのです。その方の力を発揮しやすいようにお手伝いするのが治療者だと考えています。これは僕が開発したものでもなんでもなく精神療法の学びの中で教わったものを自分の経験に照らし合わせながら考えて、言葉にしてみました。それを皆さんにもおすそ分けしたくて今日のブログに書いてみました^^

2017年8月11日金曜日

開業して初めて学会で発表してきました



開業して初めて学会で発表してきました。学会発表も論文発表もそうですが、症例を自分なりに検討し、振り返り、人の前で発表できる形を作っていく。実際に患者さんを診る臨床を除けば、この過程ほど医者にとって勉強になる方法はないのではないかと思います。

写真は学会のあった松山で寄った道後温泉本館です。真夏に温度の高い温泉に入り、しかも昔の建物のままで(もうすぐ大改装されるそうです)脱衣所にエアコンがないという非常に稀有な経験をしました。温泉から出ても汗が止まらず、あとのビールが最高だったのは言うまでもありません(笑)

2017年8月5日土曜日

明日で開業から4年

明日で開業してからちょうど4年を迎えることができます。正直なところ、開業して何年なんて経営している側以外の人にとってはあまり重要ではないと思います。なのでみなさんに読んでいただくブログで毎年これを触れる必要はないのかもしれません。しかし、醫院の診療、経営を継続できているのは関わってくださるすべての方々のおかげであることは間違いありません。ですので、あらためて毎年このようにお礼を言いたく、ブログに書いてしまいます。

当院に関わってくださるすべての方々、本当にありがとうございます。

これからも、家族みんなが楽になれる醫院として、治療技術とサービスの向上に邁進していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

2017年7月29日土曜日

ただ話を聞いただけで楽になるのはなぜ?

友達の相談に乗っていて、自分ではただ話を聞いただけのつもりがその友達が楽になって、喜んでくれる。こんな経験って、誰にでもある気がします。それってなぜでしょう。理由を挙げると無数にありそうですが、僕が大きいなと思うのは対話を通じて、本人がその問題を「客観視」することができるからです。その中にも2つくらい客観視できる理由があるように思います。

1つ目です。相談する側の人が一人で頭の中で考えている時はその問題を客観視することが難しいため、その問題に巻き込まれてしまう。そこに相談を受ける側の人がその問題に関する質問をすることで、客観的な視点を与えることになり、その対話でその問題を客観視できて問題から少しずつ離れて楽になれる。2つ目です。その問題をこれまで誰にも話をしたことがなく、信頼出来る友達がただ聴いてくれるだけで気持ちが楽になる。すると心に余裕ができて、少しずつ冷静にその問題を客観視できるようになる。みんなそれぞれ問題を抱えていますが、客観視は大切だな。今日はこんなことを考えてみました。

2017年7月23日日曜日

良くなるスピードは患者さんが決める事

人にはそれぞれ自分のペースというものがあります。それは生き方も、病気や精神状態が良くなる事も同じように思います。精神科医としてそばで見せてもらっている自分としては少しでも早く良くなってもらいたいので、焦って次々と話を進めて行きたくなります。しかし当のご本人やご家族がそのスピードについていけないことはよく経験します。なのでいかにいい方法だとこちらが思っても、スピードを相手に必ず合わせ行かないと、逆に患者さんやご家族をしんどくさせてしまう。相手にスピードを合わせる。これが精神科の治療において重要なことであると感じています。