自宅のマンションのエレベーターで出会った人の中で、こちらから挨拶しても挨拶を返さない人を見るとイライラする。それはおそらく僕の生育歴が関係している。
幼い頃、外で親父の知人に会ったときに僕が挨拶をしないと、後ろから親父の左手(左利きなので)が飛んできた。不意を突かれた僕は思わず頭が倒れてお辞儀することになり、親父の知人からは「宋さん、何もそこまでしなくても」と言われる始末。今振り返ってみると子ども心に大人が怖かったり、ぼーっと他のところを見ていたからかもしれないのに。「俺が挨拶した人にはお前も自動的に挨拶しろ」。そう教えられてきた。
マンションで挨拶をしない人を見てイライラしてしまう自分にもイライラする。広い世の中、挨拶をしない人くらいいるだろう。最近僕はそのイライラをやめるために「あ、この人は睡眠不足なんだ」と思うようにしている。これにも理由がある。
実はこの夏、僕は予定が過密な上に仕事をはじめやることが多すぎた。ある日の夜に寝ていると冷や汗と熱が出てきて、息が荒くなった。日中は仕事なので無理やりでも体は動くのだが、夜になるとまた熱が出る。そんな生活が1週間ほど続いた。ある休日、夕方に強烈な眠気が襲ってきて横になると、ベッドが身体にへばりついて離れなくなった。4時間ほどぶっ通しで寝ると、ほんの少しだけ体が軽くなった。それでも夜の熱は下がらず、ためしに休日を一日睡眠に費やしてみた。すると熱が下がったのだ。ここでようやく気付いた。僕は慢性睡眠不足だったのだ。振り返ってみると、渡ろうとした青信号が黄色になるだけでイライラしていた。仕事やこうやって文章を書くことへの集中力も上がらなかった。睡眠は思考と行動を決める。思考と行動は人生を決める。ふとそう思った。人生の三分の一が睡眠という物理的な話ではなく、まさに睡眠そのものが人生なのだ。
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