2019年3月1日金曜日

患者さんは意図せず治療者に多くのことを教えてくれる

患者さんが治療者にとって師匠であり、治療者は患者さんに感謝するべきであるというのは再三ブログで書いてきました。その中でのもう一つの気づきがありました。それは患者さんはご自身の辛いこと、苦しいことをなんとかしたいという思いでたくさん語ってくれます。それはもちろんご自身の治療のためであり、こちらも治療者としてそれに答える義務があります。ただ、診察の時間は治療者にとっては治療ということ以外の意味があります。それが患者さんの語るときの表情、こちらの言葉への反応、思考のパターン、その人の歴史など、患者さんはご自身は意図せず、これらを治療者に教えてくれます。それらの情報はその人だけでなく、他の人たちの治療を行う際に非常に多くの助けになります。なぜなら人の表情、反応、思考パターン、歴史には様々ありますが、共通している部分も多いからです。それがまた次の患者さんの治療に役立つ。治療者としては貯金をさせてもらっているような感覚です。意図せず患者さんは教えてくれる。本当にありがたい限りです。

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