2020年9月4日金曜日

医療はサービスと臨床から成り立っている

医療はサービス業であるとよく言います。たしかに患者さんを顧客と考えれば、快適に医療を受けられるようにするという点で、サービスの面は確かにあります。それは対人で仕事をする医療機関として追及していくべきことです。ただ、医療と臨床はイコールではありません。臨床はマイナスの状態にある患者さんをゼロ(元の状態)、あるいはそれ以上の楽な状態になってもらうことが目的です。患者さんが快適に医療を受けることと、楽になることは必ずしも同じではありません。臨床では患者さんが快適だと思っていない場合でも、楽になることがあります。その一例は手術です。医療はサービスと臨床の両方で成り立っています。どちらを重視するかは、患者さんや医療者によって違います。でもサービス業という言葉でそれを誇張することは危険なことのように思います。

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