2020年12月18日金曜日

人のためになんておごりだと思っていた

 先日のアナザースカイに俳優の大泉洋さんが出演されていました。その中でこんな言葉がありました。


「それまで人のためなんておごりだと思っていた。でも東日本大震災の年にイベントをしたときに感想をもらった。ほんとにありがとう、元気をもらいましたって言ってもらった時に、僕がやってることを喜んでくれる人がこんなに日本中にいるんだという思いになった」

僕とまったく同じ気持ちや(僕の場合は日本中なんてことはありませんが)。そう思いました。これまでの僕は有名人やスポーツ選手が「人に希望を与えたい」みたいな発言をしていると、「神様でもあるまいし、よくそんなこと言えるな」と思って見ていました。たとえ患者さんから「先生のおかげで元気になれました」なんて言われても、「お世辞なんだろうな」、「そんなわけがない」、「僕は何もしていないのになんでそんなことを言われてるんだろう。奇特な人だ」、冗談ではなく本気でそう思っていました。


それが最近になって、僭越ながら患者さんやご家族から心からの感謝の言葉をいただくと、それが僕の中に入ってきて「僕がしていることで喜んでくれてる人がいるんだ」とまさに大泉洋さんの言葉どおりのことを思うようになりました。そこから自分が治療をすることで楽になってもらうんだという覚悟のようなものが芽生えました。これは医者としての大きなターニングポイントになったと思っています。

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