2021年12月3日金曜日

自分を大切にするからこそ、いい医療ができる

スポーツを感動の物語に仕立てることは、実はとても大きな危険がある。ある駅伝で転倒して骨折した選手が中継地点までの200mを四つん這いで進んでタスキをつなげた。それをメディアが美談として報道した。これは間違いだ。なぜなら這ってでもタスキを渡すという行為をまねる子どもたちが出てきかねないから。

元マラソン選手の有本裕子さんが先日の夕刊で書かれていた文章です。これを読んだとき、医療と重ねました。医療者は自分を犠牲にして仕事をすることが美徳とされて久しいですが、今もそれはまかり通っているように思います。本当にいい医療がしたいなら、自分を犠牲にしてはいけません。それで余裕がなくなり、次の判断を誤ることがあるからです。自分を大切にするからこそ、いい医療ができるのだと僕は思います。


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