20年ほど通っている韓国料理屋さんがある。先日もそこで食事をしていると、60代くらいの女性が玄関から入ってきて直接厨房に入って行ったので少し驚いて見ていた。店員さんは驚きもせず「この前はありがとうございました」と愛想よく接していた。女性がお店に何か差し入れをしたのかもしれない、そんなことを勝手に想像しながら2人の会話を聞いていた。
女性:明日お父さんと6時ね
店員:わかりました。お待ちしております
女性:じゃあね
ほんの数分の会話だったが、地元のお客さんに愛されていることが十分に伝わってきた。その店は商店街の中にあり、まわりの店ができては消えていく中、今も繁盛している。このお店のママは70代の済州島出身の方だ。実は僕が開業する直前、食事に行ったときに何気なくママに開業すると告げただけなのに開業の日に大きなお花が届いた。ママも日本という外国に来られてお店を開業された方だ。僕の心細さに気づいてくれたのかもしれない。その時のママの心遣いは今も忘れられない。そんな心遣いをいただいた人は一人や二人ではないだろう。
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