2020年9月25日金曜日

人を許すことができると、自分も許してもらえる

 先日のNHKの「逆転人生」は非行歴、犯罪歴のある人のための求人誌を発行している三宅晶子さんでした。

今回もMCの山里亮太さんの指摘が光りました。

山里さんいわく、「自分が絶対罪を犯さないなんて言えない。罪って誰でも起こす可能性がある。今の世の中は何か間違いを犯すと、一発アウト、一発退場というのがある。異常なまでに許してくれない世の中になっている。じゃあ、自分が罪を犯してしまった時に、同じ言葉を自分が浴びる覚悟はあるかい?って思う」

あまりに的を得た指摘で、何度もうなずいてしまいました。相変わらず、賢すぎる人だと思いました。

その流れから、山里さんが今回の主人公の三宅さんに「今の時代をどう見てますか?」と話をふります。すると、三宅さんは

「今の時代は何か間違いをしたらネットとかで叩いて、二度と戻ってこられないようにしてしまう。それを楽しんでしまっている。でも間違いって多かれ少なかれ誰でもしてしまってる。私はそれを許されたから今生きていられると思う。許さないと、許してもらえないよって思う。私、自分が許してほしいからこの仕事をしてるんじゃないかって思う。やさしい社会になってくれたらって思う」

お二人ともテレビという公共の場でも自分の意見をしっかり発言されている上に、社会問題を専門にしているどこかのジャーナリストたちの会話かと見間違えるほど、今の社会の核心をついている内容でした。それを仕事にされている三宅さん、その三宅さんの言葉を引き出す山里さん。ほんとにすごい方々でした。

もちろん、罪を肯定するわけではないけど、人のことを許すことができると、自分も許してもらえる。この考えが広がっていけば、三宅さんがおっしゃる通りどんなにやさしい社会になるか。期待してしまいます。

2020年9月18日金曜日

やらない理由ではなく、やれる理由を探せ

何か新たなことに挑戦したいとき、あるいは挑戦しなくてはいけないとき。内心ではどうしてもひるんでしまうことがあります。そうすると、無意識にそれをやらないで済む方に心が向いてその理由をさがしてしまう。そんなときにこの言葉が助けてくれます。

 「やらない理由ではなく、やれる理由を探せ」

どこかで聞いた言葉です。やれる理由を探そうとマインドセットを変えた時点で、後ろ向きだった自分の思考が前向きになって、やれる前提として気持ちが逆回転し始めるからです。


2020年9月11日金曜日

その時を待つのではなく、今を楽しむ

多くの人がコロナが早く収束して、早く解放されたいと待っています。先日のアナザースカイで、放送作家など様々なことをされている小山薫堂さんがこんなことをおっしゃっていました。

「stay home じゃなくて enjoy home にしましょう。人は何かを待っていると辛くなる。そしたら今を楽しんだほうがいい」

これはコロナが収束する時だけのことを言うのではなく、人生の中でいつかこうなりたい、いつかここから抜け出してやると、何かを目指して生きている人たちみんなに言えることだと思います。願いが叶った時だけを思って生きることは大きな苦痛が伴います。そうではなく、自分の夢に向かって努力しながらも、今を楽しむことで人はまたその夢に向かってがんばれるのだと思います。気づいたら夢が叶っていた、ってほうが決して楽とは言えない毎日を生きるならより幸せなんじゃないか。そう思います。

2020年9月4日金曜日

医療はサービスと臨床から成り立っている

医療はサービス業であるとよく言います。たしかに患者さんを顧客と考えれば、快適に医療を受けられるようにするという点で、サービスの面は確かにあります。それは対人で仕事をする医療機関として追及していくべきことです。ただ、医療と臨床はイコールではありません。臨床はマイナスの状態にある患者さんをゼロ(元の状態)、あるいはそれ以上の楽な状態になってもらうことが目的です。患者さんが快適に医療を受けることと、楽になることは必ずしも同じではありません。臨床では患者さんが快適だと思っていない場合でも、楽になることがあります。その一例は手術です。医療はサービスと臨床の両方で成り立っています。どちらを重視するかは、患者さんや医療者によって違います。でもサービス業という言葉でそれを誇張することは危険なことのように思います。