2022年9月30日金曜日

自然法爾(じねんほうに)

 晩年に親鸞が弟子に宛てた手紙の中に、自然法爾(じねんほうに)という言葉があることを知りました。

自然とは「おのずからそうである」、法爾とは「法則にのっとること」という意味です。合わせて「すべてのことは阿弥陀仏が示すものであり、自分の力を捨てて阿弥陀仏の力に身を任せること」という意味になるそうです。世の中、あるいは人生に起こることのすべては、いいこと、悪いことを含めて人智の及ぶところではない、神様が決められているということだと理解しました。そう考えるとある出来事に対してどうしようと思うその気持ちから離れることができて、僕はとても心をが救われた実感を持つことができました。一方で、辛いことが起きたときにこの言葉通りの気持ちになれるのかが心配になりました。いつかそんな気持ちになれる日がきたら、どんなにいいだろう。そんなことを思いました。

2022年9月23日金曜日

人と会えることの大切さ

 


3年ぶりに対面での学会がありました。オンラインの便利さに慣れた部分と、当たり前ですが人と会えることの大切さを改めて感じました。特に、発表の場合には聴衆の方々の反応を直接感じることができる対面はとても有意義で、勉強になります。コロナ前は当たり前だったことの大切さを改めて感じることができました。社会は常に変化しているため、コロナ前と同じ状態に戻ることはありません。これからはオンラインがありながら、対面もできて、マスクもしなくていい生活になってほしいと思いました。ちなみに、この写真は明石海峡大橋です。秋晴れで、突き抜けるような青空が詰まっていた息を吐きださせて、呼吸をさせてくれる気がしました。

2022年9月16日金曜日

上を見て生きるんや、下を見て暮らすんや

 作家、開高健さんの有名な言葉です。

誇りと志を忘れず、日常ではひたむきに生きる。そんな意味だと解釈しています。市井の人の日常は派手なことがあるわけではありません。それでも日常を大切にして、前を向いて生きる。そんなことを「生きる」「暮らす」という言葉の使い分けで教えてくれているのだと思います。

2022年9月9日金曜日

芸は悲しみや抑圧から生まれる

 今年は沖縄の本土復帰から50周年で、沖縄に関する番組がたくさん放送されています。僕は沖縄が大好きなので、どうしても見てしまいます。沖縄の伝統音楽の番組でシンガーソングライターの宮沢和史さんがこんなことをおっしゃっていました。

「悲しい歴史は流れていくけれど、そこに新しい芸が生まれる。芸は悲しみとか抑圧とか、そういうところから生え出る」

芸って人を癒したり、感動させたりします。外から見ると、とてもプラスのものに見えます。でも実はその起源は悲しみなんだと気付かされる言葉でした。さすがは沖縄の音楽、いや芸を追求されてこられた方の言葉だと思いました。

2022年9月2日金曜日

そのとき一生懸命やったんだからそれでいい

 今月の私の履歴書は俳優の山崎努さんです。その中に若いころの山崎さんと黒澤明監督とのやり取りが書いてありました。

山崎さん:ご自分の昔の作品をみ返して後悔することはありませんか?

黒澤監督:(即座に)ないね。どうして後悔するの?そのとき一生懸命やったんだからそれでいいじゃないか

最後のこの言葉、すべての人に聞いてもらいたいと思いました。