先日のNHKで「消える故郷へ帰るとき」と題して、高知県の椿山という歴史ある集落が消滅集落になったところに、椿山出身の一人の男性が帰ってくるというお話がありました。実はNHKが番組として1976年にその男性のご両親を含めた家族を撮影しており、それからも約20年おきに撮影されていた映像を合わせて見せてくれていました。そこには親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ち、故郷である椿山を愛する人々の気持ちがありとても感動しました。でも僕にはもっと心を揺さぶられる衝撃がありました。それは映像で20年ごとの人の外見の変化を連続で見せられると、人が老いていくのを目の当たりにせざるを得ません。とても当たり前のことです。でも人は昨日と今日は同じ姿だと思っています。そんなわけはありません。生物学者の福岡伸一先生が「生物学的にも人は昨日と今日では違う」という話を思い出しました。人の身体は刻一刻と変わっている。人生は決して長くない。そんな当たり前のことを確認させられました。
2023年2月24日金曜日
2023年2月17日金曜日
2023年2月10日金曜日
誰かを助けているように見えて、実は誰かに助けられているのかもしれない
歴史が好きで、最近はNHKの「映像の世紀」をよく見ます。先日は危機の中の勇気というテーマでした。
2001年1月26日に東京の新大久保駅で起きた人身事故がありました。線路に転落した男性を助けるためにある男性が線路に降りて助けようとしました。そのとき電車が入ってきて線路にいた人全員が亡くなったのです。助けようと線路に降りたのが韓国人留学生の李秀賢(イスヒョン)さんでした。
2007年1月26日、つまり6年後の同じ日のことでした。今度は上野駅で線路から人が転落し、それを線路に降りて助けた男性がいて、そのときはみなさんの命は助かったのです。線路に降りて助けたのは山本勲さん。李秀賢さんのお母さんが書かれた本を読み、映画化されたものも見たのだそうです。それによって当時の山本さんは「行け!」という勇気を本能的にもらったと語っておられました。しかし、線路から転落した方はその後亡くなりました。
その後、山本さんは亡くなられた方の奥様からの手紙を受け取ります。そこには「主人との別れの時間が持てましたことが嬉しく深く感謝申し上げます」と書かれていました。当時の山本さんは事業で行き詰まり、生きる気力をなくしていたそうです。その手紙を受け取って、山本さんは次のように語っておられました。
一歩間違えれば、自分が逆の立場で死んでいたかもしれない。だとすれば、逆に自分が助けられたのではないか。もう少し頑張っていかなきゃいけないっていう勇気をもらいました。
人というのは、誰かを助けているように見えて、実は誰かに助けられているのかもしれません。
2023年2月3日金曜日
自分でできたほうが自由になれる
ソロで生きていくことができる人間でありたい
NHKの番組で作家の沢木耕太郎さんがおっしゃっていた言葉です。
その理由は(たとえば炊事、洗濯)何をするにしても自分でできたほうが自由になれるから。なにかひとつが自分でできるということは、ひとつ自由になれるということ。
なるほどと思いました。多くの人は自分でするよりも、代わりに誰かにしてもらうほうが自由になれると思っています。でもそれは勘違いかもしれません。