年齢を重ねると、自分にとって大切なこと、大切でないことがおのずとはっきりしてきます。それまでの経験と体力の変化が影響しているのでしょう。その人にとって本当に大切なのは、死ぬ直前までしていることです。生物としての、食べること、寝ることはそのいい例です。
俳優の梅宮辰夫さんは亡くなる直前まで料理のレシピを書いていたそうです。それこそが梅宮さんにとって本当に大切なものだったのだと思います。人はみんな、自分にとって本当に大切なことを見つけるために生きているのかもしれません。
年齢を重ねると、自分にとって大切なこと、大切でないことがおのずとはっきりしてきます。それまでの経験と体力の変化が影響しているのでしょう。その人にとって本当に大切なのは、死ぬ直前までしていることです。生物としての、食べること、寝ることはそのいい例です。
俳優の梅宮辰夫さんは亡くなる直前まで料理のレシピを書いていたそうです。それこそが梅宮さんにとって本当に大切なものだったのだと思います。人はみんな、自分にとって本当に大切なことを見つけるために生きているのかもしれません。
NHKの「逆転人生」でこんなお話がありました。36歳のときにお父さんが急死されたことで受け継いだ40億円の借金を完済して、今も居酒屋の経営を続けておられる湯澤剛さんでした。当時、その借金について計算すると、月々の返済額は3000万円、返済期間は80年だったそうです。それでは寿命も間に合いません。途方もない数字に、湯澤さんは頑張る期間を5年と決め、ハンガーにその日数を書いた紙をかけて、毎日1日が終わったら、ご夫婦でそれをめくることを1日の終わりの儀式にされていたそうです。その日1日、何もいいことがなくても、とにかくゴールには近づいている。それを実感するためでした。
人は途方に暮れてしまうと、絶望するものですが、自分のがんばる期間の終わりを決めるというこの発想によって、生き延びようとされたのです。
「すべてのことは過ぎ去っていく」
湯澤さんの言葉です。辛い時に、この言葉を思い出したいと思いました。
あるお坊さんの講義を聞きました。
私たちはみんな、自分が望むとおりになると思ってる。あるいは、望むとおりにならないといけないと思ってる。望むとおりになることが、いいことだと思ってる。でも、実際の人生では、望んだとおりにすべてがいくわけではない。
人生は望みとおりにならないから辛いわけではなく、人生が望みとおりになると思うから辛くなる。あるいは人生が望み通りになることがいいことだと思うから辛くなる。
ダメだったからって、辛くなることはない。「あ、ダメだったんだ」と思えばいい。それでもやりたかったら、もう一回やればいい。その元気がなかったら、やめればいい。未練があるなら、もう一回やればいい。なにも、辛くならなくっていい。
そう考えると、人生に臨むときの心得は、努力することが自分のすることであり、結果は自分の関与できることではない。
僕は特に最後の言葉にとても勇気づけられました。
最近、ブラタモリという番組が好きになってよく見ています。タレントのタモリさんが日本の各地を訪ねて、専門家の方と一緒にその地域の歴史について教えてくれます。
まず驚くのは、タモリさんの博覧強記としか言えない知識の豊富さとずば抜けた想像力です。しかもそれを語っておられるときにまったく嫌みを感じない。それがその年齢になられたからなのか、元からのお人柄なのか。お会いもしたことのない僕にとっては全くわかる由もないのですが、とにかく聞いていて違和感がないのです。
そして、その中で出てくる先人たちの知恵や生きる力。歴史はもともと好きなのですが、何よりも歴史は心を癒してくれます。それがなぜ癒しになるのか自分でもわからなかったのですが、最近気づきました。歴史は人の生そのものです。それによって今を生きるのに、とても多くの示唆を与えてくれます。それともう一つ。歴史は非日常の世界へ誘ってくれます。これもまた癒しのポイントです。歴史好きの人たちが多いことには、とても納得できます。