2023年5月26日金曜日

人が感動するのは手間をかけたもの

去年のお正月にふと小説が書きたくなって、去年の1年間小説を書く学校に通っていました。そこには入学式というものがあり、プロの小説家やセミプロの講師の先生が新入生に激励の言葉をくださいます。そこである先生がこんな言葉を言っていました。

いい小説とは手間ひまかけたもの

この言葉は僕のようなど素人が実際に小説というものを書いても、痛感させられるものでした。でもこれってよく考えると、どんなものにでも言えることなんじゃないかと思いました。文章はまさにそうですが、芸術、料理、サービス、人がしたものに人が感動するのはすべて、人が手間をかけてきたものなのです。その手間ひまに思いを馳せたとき、人は感動するのだと思います。

2023年5月19日金曜日

回り道をした分だけ多くのことが見える

 돌아서 간 만큼 많은 것이 보인다

(人生は)回り道をした分だけ多くのことが見える

誰が言った言葉かはわかりませんが、僕が好きな韓国語です。人生は自分の思い通りにはならないものでありながら、なんとか自分の思い通りにしたいと努力し、迷い、挫折するものです。一見あまりに無駄に見える時間もあると思います。でも回り道をしたらそれだけ見えてくるものも多くなる。もっと言うならば、人生に無駄なことはない。そんなことをこの言葉は教えてくれる気がしました。

2023年5月12日金曜日

諦めることで道は拓ける

 先日の新聞に出口治明さんの言葉がありました。出口さんは生命保険会社の仕事を経て、現在は大学の学長をされている方です。僕もいくつかご著書を読ませていただいて、知的好奇心をくすぐってくれる内容、テレビでお見受けしたときの語り口に、とても魅力的な方だと思っています。以下は出口さんの言葉です。

どこに居合わせるかは運命で、どう適応するかは自分次第。ならば川の流れに身を任せ、岩にぶつかったり濁流にのまれたりしながら流れ着いた場所でベストを尽くそう。諦めることで道は拓ける。

諦めるという言葉には、ギブアップという意味以外に、苦難とともに「やる」と決めることという意味があるそうです。人は自分の選択とは言え、思い通りにならないこともたくさんあります。あるいは望んでもいないのに苦難に立たされることがあります。それならその現状を心の底から受け入れて、その中で最善を尽くす。そうすれば、自分が思いもしなかったことが始まり、そこに道ができる。ある程度の期間人生を生きてきている人であれば、誰もが理解できる、あるいは経験したことのある話ではないかと思いました。出口さんは先日脳卒中に倒れ、今は毎日リハビリをしながら、学長とのしての仕事を続けておられるそうです。言葉と行動が一致することのカッコよさを感じました。


2023年5月5日金曜日

営業をしないことが最高の営業

 先日、眼鏡を修理したくてある眼鏡屋さんに入ったときのことでした。僕の使っている眼鏡と同じメーカーの部品まではなくて完全な修理はできないという話でした。しかし、対応いただいた男性は僕の眼鏡を見て、「まずは眼鏡をきれいにしますね」と言いながら、眼鏡をきれいにしてくれました。その後も同じような眼鏡がないかを尋ねるといくつかおすすめをしてくれるのです。いつもの営業のような感じで来られるのかなと思って「修理はできないけど、この眼鏡ってまだ使えますか?」と聞くと、「もちろんです。まだまだ大丈夫ですよ」と言ってくださいました。これまでのお店だと次の商品を売ろうと、あれこれ理由を説明されていたのに、売ってやろうという変な欲がないことを感じました。それがとても心地よくて、ついほかの眼鏡を買ってしまったのです。

仕事になると売り上げを気にして営業をしてしまうのが多く人の人情だと思います。それよりも、目の前のお客さんが何を望んでいるのか、その人にとって最善のものを提供する。それが最高の営業になるのだと学びました。