2020年12月25日金曜日

今年1年もありがとうございました。

 いつの間にか今年最後のブログを書く時期が来ていました。この1年はコロナの影響で、年始のときには想像できないようなことが生活の中でたくさんありました。それに追われて、時間が過ぎていったように思います。そんなコロナの渦中にあっても、患者さんの診療が続けることができました。毎年その年の終わりは感謝の気持ちを改めて感じていましたが、今年も感謝の気持ちは変わりません。ブログを読んでいただいてる方にも感謝いたします。いい年末年始をお送りください。

2020年12月18日金曜日

人のためになんておごりだと思っていた

 先日のアナザースカイに俳優の大泉洋さんが出演されていました。その中でこんな言葉がありました。


「それまで人のためなんておごりだと思っていた。でも東日本大震災の年にイベントをしたときに感想をもらった。ほんとにありがとう、元気をもらいましたって言ってもらった時に、僕がやってることを喜んでくれる人がこんなに日本中にいるんだという思いになった」

僕とまったく同じ気持ちや(僕の場合は日本中なんてことはありませんが)。そう思いました。これまでの僕は有名人やスポーツ選手が「人に希望を与えたい」みたいな発言をしていると、「神様でもあるまいし、よくそんなこと言えるな」と思って見ていました。たとえ患者さんから「先生のおかげで元気になれました」なんて言われても、「お世辞なんだろうな」、「そんなわけがない」、「僕は何もしていないのになんでそんなことを言われてるんだろう。奇特な人だ」、冗談ではなく本気でそう思っていました。


それが最近になって、僭越ながら患者さんやご家族から心からの感謝の言葉をいただくと、それが僕の中に入ってきて「僕がしていることで喜んでくれてる人がいるんだ」とまさに大泉洋さんの言葉どおりのことを思うようになりました。そこから自分が治療をすることで楽になってもらうんだという覚悟のようなものが芽生えました。これは医者としての大きなターニングポイントになったと思っています。

2020年12月11日金曜日

完全なものなんて目指さなくていい

このブログには自分が感じたもので多くの人に共感してもらえるもの、できるだけ普遍的なものを書こうとしてきました。(僕の視点のレベルですが)いろんな角度から考えても理屈が通るようにするため言葉を重ねているうちに冗長で冗漫な文章にもなっていたと思います。でも完全無欠で普遍的なものなんてありえない。あらゆる角度から見て、指摘ができないものなんてない。


うる覚えですが、思い出しました。どこかの中国の古典にこんな言葉がありました。


「この世で言える唯一のことは、自分が今ここに存在するということだけ」


肩の力が抜けました。もっと自由でいい。完全なものなんて目指さなくていい。ただ、(自分が思う)よりいいものを目指せばいい。これからもそれをブログにしていきたいです。

2020年12月4日金曜日

苦しいときに今まで支えてもらった方たちのことを思い出して、自分を奮い立たせる

先日のNHKのスポーツ×ヒューマンはマラソンの東京五輪代表の服部勇馬選手でした。服部選手にマラソンをしている目標は?という質問には「自分を成長させること」、マラソンの醍醐味は?という質問には「心で走ること」という答えが返ってくるそうです。


以下はそんな服部選手のマラソンを走るときの気持ちについての言葉です。


「周りの方や今までサポートしてもらったすべての方にまずは感謝をして、スタートラインに立ってます。マラソンはきつくなってからが勝負なので、きついときや苦しいときにたくさんの方に支えてもらって今の自分自身があるし、きついときにどれだけそのことを思い出して自分を奮い立たせるかだと思います」


苦しいときに今まで支えてもらった方たちのことを思い出して、自分を奮い立たせる


人は感謝すると、力が湧いて来るようです。これはマラソンだけでなく、生きていく上で力をくれる言葉だと思います。


2020年11月27日金曜日

評価とはいつだって「他人によるその時点での無責任な評価」

 一般的に評価とはいつだって「他人によるその時点での無責任な評価」


サッカーの本田圭佑選手の言葉です。昔とは違い、著名人だけでなく一般人への評価まで明るみになる時代に、たくさんの人の心を守ってくれる言葉だと思います。

2020年11月20日金曜日

すぐに叶ってしまう夢は夢じゃない

 かんさい熱視線という番組で、阪神タイガースの藤川球児投手が引退の3時間後に、こんなことを話されていました。


「すぐに叶ってしまう夢は夢じゃない」


ほんまや。思わずつぶやいていました。人の夢に大きいも小さいも、上も下もありませんが、どんな夢でもすぐには叶わないから夢なんです。この言葉は多くの人を勇気づけてくれると思います。

2020年11月13日金曜日

「君はそのままでいい」は最強の言葉

黒柳徹子さんのプロフェッショナルを見ました。若いとき、他の人と違う自分、環境にうまく適応できず、「あなたの個性は邪魔だから、それを引っ込めて」と言われ続けていたそうです。そんなとき、ある劇作家の先生が「君はそのままでいい」と初めて言ってくれたそうです。「君はそのままでいい」という言葉ほど、人を勇気づける言葉はない気がします。

2020年11月6日金曜日

自分の行いに慣れるのは危ない

人はいろんなことに慣れていきます。辛いことについては、慣れることでなんとか少しずつもとの生活ができるようになります。ただ、自分の行いについては、それがたとえ良いことでも悪いことでも、慣れることは危ないのではないかと思います。

2020年10月30日金曜日

人は自分が知ってる視点でしかものを見れない

「人は自分が見たことのあることしか知らない」 どこかで聞いた言葉です。 「人は自分が知ってる視点でしかものを見れない」 と言い換えることができると思います。 人はみな自分の視点が正しいと思いがちですが、自分の視点が正しいとは限りません。他の視点を知ると、それまでの自分の考えがひっくり返るなんてことはよくあります。あらゆる視点があり得るとすれば、すべてのことはどれも正しい、あるいはどれも間違っているとも言えます。 広い視点を持てることに憧れます。

2020年10月23日金曜日

人間、誰かて言い分がある

「犯人は無理やり追い詰めたらあかん。人間、誰かて言い分があるやろ。それを聞いてやるわけや。それが結局、落ちることにつながるんやな」 落とし(犯人の口を割らせる)の名人と言われた刑事さんの言葉だそうです。 「人間、誰かて言い分があるやろ」 人は自分が正しいと思う方向に他の人を連れていきたくなって、それに躍起になっているうちに、自分の思う方向に連れていけないことがよくあります。臨床をしていても、時にそれをしている自分に気づくときがあります。 誰かて言い分がある その言葉を一人で繰り返しました。

2020年10月16日金曜日

みんな自分を認めてほしい

子供は褒めてほしくて、親に寄ってきます。大人も同じです。大人は空気を読むのでそれをそのまま表現しないだけです。人は子供も大人も年配者も関係なく、みんな自分のことを認めてほしいものです。生きていると自分の存在を脅かされることがあるから。

2020年10月9日金曜日

日々していることが、次の仕事につながる

日々の臨床の中で、「あの時失敗したな、あの時あの患者さんはどう思ったのかな?」。  ふと不安になる時があります。 

 アナザースカイという番組で、お笑い芸人の後藤輝基さんが出演されていました。 ご自身の番組が終わってしまうことがあったそうです。お笑い芸人にとって自分の番組が終わるということは、他の人には想像できないくらい不安なことだと思います。それを先輩の今田耕司さんに相談すると、「毎日誰かを笑わせてたら、必ず誰かが見てくれている」という言葉をくれたそうです。

 日々していることが、次の仕事につながる 

そう解釈しました。自分に置き換えると「毎日誰かを治療していたら、必ず誰かが見てくれている」 となります。 そう思って、また明日の臨床に臨みたいと思います。

2020年10月2日金曜日

最後は自分に対しては肯定的に

人は周囲への不平、不満、批判を口にすることがあります。一見、その人は自分を振り返らず周囲のせいにして不平、不満、批判をしているように映ります。でも実際にまったく自分のことを振り返れていない人なんているでしょうか。生きていれば、ほっておいても自分への批判が聴こえてきたり、自分ができていない部分に気づかされます。

自分を振り返ることは多くの人は自然にしており、人は他の人の批判よりも自己批判のほうが得意なものです。なぜなら他の誰との対話よりも自分との対話の時間が一番長いからです。むしろ自分の振り返りをしすぎて自己批判になってしまうことのほうに注意しなければならないと思います。自己批判を繰り返すことで自分がしんどくなって、それを自分ではどうしようもなくて、また周囲のせいにしなくてはならなくなるからです。

周囲を批判する→同時に自分を責める→どうしようもなくまた周囲を批判する

こんな循環に入ってしまいます。一旦こうなると、この循環は強くはなる一方で、ここから抜けだすのは容易ではありません。

「これは自分がまずかった。でもこの部分は自分はよくやった」

こんな風に最後は自分に対して肯定的でいることはこの循環から抜け出し、結果的には周囲への不平、不満、批判をせずにすることにつながると思います。

2020年9月25日金曜日

人を許すことができると、自分も許してもらえる

 先日のNHKの「逆転人生」は非行歴、犯罪歴のある人のための求人誌を発行している三宅晶子さんでした。

今回もMCの山里亮太さんの指摘が光りました。

山里さんいわく、「自分が絶対罪を犯さないなんて言えない。罪って誰でも起こす可能性がある。今の世の中は何か間違いを犯すと、一発アウト、一発退場というのがある。異常なまでに許してくれない世の中になっている。じゃあ、自分が罪を犯してしまった時に、同じ言葉を自分が浴びる覚悟はあるかい?って思う」

あまりに的を得た指摘で、何度もうなずいてしまいました。相変わらず、賢すぎる人だと思いました。

その流れから、山里さんが今回の主人公の三宅さんに「今の時代をどう見てますか?」と話をふります。すると、三宅さんは

「今の時代は何か間違いをしたらネットとかで叩いて、二度と戻ってこられないようにしてしまう。それを楽しんでしまっている。でも間違いって多かれ少なかれ誰でもしてしまってる。私はそれを許されたから今生きていられると思う。許さないと、許してもらえないよって思う。私、自分が許してほしいからこの仕事をしてるんじゃないかって思う。やさしい社会になってくれたらって思う」

お二人ともテレビという公共の場でも自分の意見をしっかり発言されている上に、社会問題を専門にしているどこかのジャーナリストたちの会話かと見間違えるほど、今の社会の核心をついている内容でした。それを仕事にされている三宅さん、その三宅さんの言葉を引き出す山里さん。ほんとにすごい方々でした。

もちろん、罪を肯定するわけではないけど、人のことを許すことができると、自分も許してもらえる。この考えが広がっていけば、三宅さんがおっしゃる通りどんなにやさしい社会になるか。期待してしまいます。

2020年9月18日金曜日

やらない理由ではなく、やれる理由を探せ

何か新たなことに挑戦したいとき、あるいは挑戦しなくてはいけないとき。内心ではどうしてもひるんでしまうことがあります。そうすると、無意識にそれをやらないで済む方に心が向いてその理由をさがしてしまう。そんなときにこの言葉が助けてくれます。

 「やらない理由ではなく、やれる理由を探せ」

どこかで聞いた言葉です。やれる理由を探そうとマインドセットを変えた時点で、後ろ向きだった自分の思考が前向きになって、やれる前提として気持ちが逆回転し始めるからです。


2020年9月11日金曜日

その時を待つのではなく、今を楽しむ

多くの人がコロナが早く収束して、早く解放されたいと待っています。先日のアナザースカイで、放送作家など様々なことをされている小山薫堂さんがこんなことをおっしゃっていました。

「stay home じゃなくて enjoy home にしましょう。人は何かを待っていると辛くなる。そしたら今を楽しんだほうがいい」

これはコロナが収束する時だけのことを言うのではなく、人生の中でいつかこうなりたい、いつかここから抜け出してやると、何かを目指して生きている人たちみんなに言えることだと思います。願いが叶った時だけを思って生きることは大きな苦痛が伴います。そうではなく、自分の夢に向かって努力しながらも、今を楽しむことで人はまたその夢に向かってがんばれるのだと思います。気づいたら夢が叶っていた、ってほうが決して楽とは言えない毎日を生きるならより幸せなんじゃないか。そう思います。

2020年9月4日金曜日

医療はサービスと臨床から成り立っている

医療はサービス業であるとよく言います。たしかに患者さんを顧客と考えれば、快適に医療を受けられるようにするという点で、サービスの面は確かにあります。それは対人で仕事をする医療機関として追及していくべきことです。ただ、医療と臨床はイコールではありません。臨床はマイナスの状態にある患者さんをゼロ(元の状態)、あるいはそれ以上の楽な状態になってもらうことが目的です。患者さんが快適に医療を受けることと、楽になることは必ずしも同じではありません。臨床では患者さんが快適だと思っていない場合でも、楽になることがあります。その一例は手術です。医療はサービスと臨床の両方で成り立っています。どちらを重視するかは、患者さんや医療者によって違います。でもサービス業という言葉でそれを誇張することは危険なことのように思います。

2020年8月28日金曜日

誰かが自分のことを見守ってくれている

スピリチュアルテラーのサトミさんの「亡くなった人と話しませんか」という本を読みました。その中にこんな内容のことが書かれていました。

何かで悩んでいる時にふとつけたテレビから心に刺さるコメントや偶然開いた本の言葉が大きなヒントになることはありませんか?亡くなった人たちはそばで見守ってくれていて、何かしらのメッセージをくれることがあります。

これを信じるかどうかは人それぞれだと思いますが、とても心に響く言葉でした。誰かが自分のことを見守ってくれていて、これまで何度もあったテレビや本の体験は偶然ではなかったんだ。そう思えるだけで、元気になれました。

2020年8月21日金曜日

その人の存在が治療になることがある

親、友達、知り合いなど、その人の存在だけで人は気持ちが楽になったりすることがあります。そこにその人がいるんだというだけで楽になる。一見不思議に見えますが、それも立派な人の治療です。自分をわかってくれる人がいる、頼れる人がいるというだけで人は力が湧いて来たり、希望が持てたりするものです。人は誰もが誰かの治療者になれる可能性があるのだと思います。

2020年8月14日金曜日

親しい人よりも他人のほうが本心を言える

「全然知らない第三者の先生のほうが話しやすいんです」

臨床をしていると患者さんやご家族からこんなことを言われます。その意味がわかりませんでしたが、今はわかる気がします。親しい人はその後の関係があるので、気を遣って本心が言いにくい。でも、全く知らない第三者はその後のことを考えずに自由にしゃべれる。本心を話すのに安全な他人を頼るのは一つの方法のようです。

2020年8月7日金曜日

自分を大切にすることを忘れないで

子供のため、誰かのため、社会のためなど、自分以外の誰かのために生きることが美徳とされています。それによって自分よりも他の人を大切にしようとがんばっている人に出会います。もちろん誰かのために生きることは大切ですが、それで自分を大切にすることを忘れるのは違うと思います。

2020年7月31日金曜日

ちょっとずつ進んでいけば、いつか大きな歩幅に変わる

またNHKの逆転人生についてです。逆転人生でMCをされている山里亮太さんの登場されている人たち全員の気持ちを読むセンスはすごいと思います。なぜなら話があまりに深刻であったり、不幸な話になるときはそれをどう乗り越えたのか、あるいはそれには触れずに笑いに変えます。あるいは誰かに振ることでその人を傷つけそうになるときは必ず自分をオチに使うところ。この瞬時の判断は普通の人ができることではありません。ものすごく綿密な計算のもとに、人の気持ちの機微を捉えて、仕事をされているのだと思います。

その山里さんが先日の駒師の方の人生を振り返られたときのコメントがこれです。

「ちょっとずつ進んでいけば、いつか大きな歩幅に変わるんですね」

これは小さな努力を続けている人みんなへのエールの言葉だと思います。毎日しているその努力による結果は見えませんが、それが積み重なるとある日気づいた時、大きな結果として現れる。たくさんの人の気持ちを救ってくれる言葉ではないでしょうか。

2020年7月24日金曜日

人の人生は第三者には想像できない部分がある

僕は最近のテレビ番組の中で、NHKの逆転人生が一番好きです。先日の逆転人生は最愛の奥様が急死された44歳の時からの15年もの間、自分が打ち込めるものを探し求めて職を転々とし、ようやく将棋の駒を作る駒師という仕事にたどり着き、6年後に最高の栄誉を得られたという方のお話でした。

逆転人生という番組を見ていて、いつもの思うのは見ている僕のような視聴者が感動して涙を流すのはわかりますが、ご自身の人生なんだから、その後どんな展開になるかわかっているはずなのに、その当のご本人が涙を流しておられるところです。どんな思いでご自身の人生を生きてこられたのか。外から見ている僕には想像できないものがあるのだと思います。

2020年7月17日金曜日

人生は自分の可能性を探すこと

プロ野球選手、そして監督として大活躍され、たくさんの人を育てられた野村克也さんが他界されました。その追悼番組で野村さんの言葉を噛みしめるように見させていただきました。その中に素晴らしい言葉がありました。

「固定観念は悪、先入観は罪。人間のいいところはどんな可能性があるか。その可能性を引き出す、見つけることが人生そのもの。自分の中には自分の知らない自分がいる。自分の中にどんなものが潜んでいるかなんて誰にもわからない」

自分は所詮こんなもんや。どうせ自分なんて。とてもあんな人にはなれない。人はどこかで自分に限界の線を引いたりします。でもそんな固定観念が自分の可能性を狭めているのかもしれない。自分にはどんな可能性があるのか。それを探すことが人生。とても勇気をもらえる言葉でした。


2020年7月10日金曜日

過去の自分に声をかけたくなる

ある韓国ドラマを見ていて、現在の自分が過去の自分に出会って、「あの時はしんどかったやろ。よく頑張ったな」と声をかけてあげるシーンがありました。

今振り返ってみて、過去の自分に慰めや励ましの言葉をかけてあげたい人はたくさんいると思います。それは自分なりに一生懸命生きてきたからです。

2020年7月3日金曜日

いつも晴天でないほうがいい

映画を見ていてこんな言葉に出会いました。

人はいつもどんな時もいいことばかりでいることを願う。でも実際に毎日晴天の日が続くと、その場所は砂漠になってしまう。雨が降る日があるおかげで、その土地は肥沃することができ、木が育って実をつけることができる。

晴天の日だけでなく、雨の日があるおかげで、結果的にいいことがある。僕にはそう聞こえました。


2020年6月26日金曜日

感謝は心の栄養分

人は何かに感謝すると、それが心にとって栄養分になるように思います。たとえそれが後で寂しい結果になったとしても。

2020年6月19日金曜日

一隅を照らす

先日の歴史秘話ヒストリアは比叡山延暦寺を建てられた最澄でした。最澄が書いた本の中に「一隅を照らす。これすなわち国宝なり」という言葉があるそうです。「それぞれの立場で努力する人はみんな、何ものにも代えがたい国の宝だ」という意味だそうです。

番組の中でこの言葉をアフガニスタンやパキスタンの復興・人道支援をしてこられ、亡くなられた医師の中村哲先生が説明してくれています。

「世界中を豊かにするだとか、全人類を救うだとか、そういうことではなく、一隅、自分の身の回りから照らしていってください。別の大きなことはせずとも、ひとつひとつできることをしていく以外に何かを実現する方法はない」

人は「自分がしていることは小さいことだ」とか、「大きなことをしないと意味がない」だとか、そんなことを思いがちです。でもそんなことはない。今の自分の身の回りを照らすために、目の前のことを一生懸命すること。それが一隅を照らすことなのだ。そんなことを思い、なぜか肯定してもらっている気持ちなりました。

2020年6月12日金曜日

歳を重ねることは自分の形を作ること

歳を重ねていくと、その時の流行に流される人は少なくなってきます。それは体力的について行けないという見方もできますが、人生経験を重ねることで自分の形ができてきたとも言えます。

どういう見方でもできますが、いずれにしてもそれでいい。一人の人にとって自分の考えはその人の人生を支えるものです。その信念で持ってその人にしか歩めない自分という道を生きています。どの考えになるかはその人の歩む人生や出会いによって変わってくる。そういうことじゃないかと思います。

2020年6月5日金曜日

休日の朝の新聞とコーヒー

新聞を読むことが趣味という人がいることを聞いたことがあります。僕もその気持ちがわかる気がします。新聞を読んでいると、書いた人の言いたいことに合わせて情報を選んで、それをつなぎ合わせてるなと感じることもあります。でもおもしろいことは確かです。社会情勢を知るとかそんな偉そうなものではなく、新聞に書いてあることには人間模様がたくさんあるからです。それに休日の朝にコーヒーを飲みながら、新聞をゆっくりと隅々まで読んでいる時間は何とも言えないいい時間です。

2020年5月29日金曜日

稜線に癒される


いつの日からか山の稜線に癒されるようになりました。稜線を見るたびに頭から何かが抜けていくような感覚になって、ありがたいなと思います。

2020年5月22日金曜日

受診するということは問題の解決に向けてすでに一歩進んでいる

受診に来られる人は自分の抱える問題に向き合おうとしている人です。場合によっては辛い問題に向き合わず、やり過ごしたいというのが人だと思います。それは決して人として間違ったことではなく、自分を守るために必要であるとも言えます。それでも受診するということは、少なくとも自分の問題に対峙しようという意思の表れです。それだけでも、問題の解決に向けてすでに一歩進んでいるのだと思います。

2020年5月15日金曜日

患者さんの優しさ

先日、ある患者さんからマスクを箱ごといただきました。みんなが大変な時期にそんなことをしていただけるなんて、僕は夢にも思っていませんでした。こんな方がおられるのか。僕はあまりに衝撃的で、お礼の言葉をうまく言えませんでした。

そう言えば、以前冬に僕が風邪をひいて喉がかれていたときに、受付で先生にどうぞって飴ちゃんをくれた患者さんのことを思い出しました。その時にも僕は何ともいえない心が温まる感覚を覚えました。

患者さんの優しさは本当にありがたいです。

2020年5月8日金曜日

恩はいつもその人に返せるわけではない

誰かから恩を受けて、その人のお返ししたいと思うのが人情です。でもそれが思い通りにできない時もあります。そんな時は恩を受けた人じゃなくても、他の人にそれを返せばいいと思います。

2020年5月1日金曜日

自然の流れに逆らわず、目の前のことをきっちりしていく

最近の新聞記事で一橋大学の楠木建先生がこんな言葉を書かれていました。

コントロールできないものをコントロールしようとする。ここに不幸の始まりがある。自然の流れに逆らわず、流れに乗っていく。目の前にあるお客をきっちり満足させる。これを日々繰り返し気長に積み重ねていく。これがいい流れ方だと思う。

先生が書かれていた文章を僕なりに短くまとめました。これらの言葉はどこかで見聞きしたことのある言葉ではありますが、常に大切にしておきたい言葉だと思いました。いい流れであれ、悪い流れであれ、自然の流れに逆らわず、目の前のことをきっちりしていく。そんな風に僕には聞こえました。

2020年4月24日金曜日

当院の新型コロナウイルス感染拡大防止策についてのお知らせ

今回のブログはお知らせをさせてください。

現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、大阪府で緊急事態宣言が発令されております。その中で、当院は通常通りの診療をさせていただいております。それにあたり、当院では来院される皆様に下記のご協力のお願いしております。

    ご来院前には来院される方全員の体温測定をお願いいたします。

    院内では常時マスクの着用をお願いいたします(お持ちでない場合には1枚200円で販売いたします)。また、当院の入り口にあるアルコール消毒液で、院内に入られる前に手指消毒をお願いいたします。
    以下に該当される方は来院を控えていただくか、当院へお電話でご相談ください。
・37.5℃以上の発熱や咳、倦怠感などの体調不良がある場合
・解熱かつ体調回復されてから2週間以内の方
・海外から帰国されて2週間以内の方

上記の症状のある方は、「帰国者・接触者相談センター(大阪府民:06-6944-8197)」、もしくは「大阪市 新型コロナ受診相談センター(06-6647-0647)」へご相談ください。

    来院された方の状況により医師の判断で、診察が短時間での対応となることがあります。

    当院はオンライン診療や電話診療、それらによる処方箋の送付は行っておりません。

*緊急事態宣言が発令されている間は、お電話をいただければ、ご予約の直前のキャンセルをお受けいたします。また同様にカウンセリングでのキャンセル料も不要とさせていただきます。

皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。


皆様、今、大変な中での生活が続いていると思います。一人にならず、みんなで一緒に乗り越えていきましょう。

2020年4月17日金曜日

ここががんばりどころ

辛いことにぶつかったとき、あるいはしんどいトンネルの終わりが見えないとき。そのこと自体に疲れてしまいます。僕がそんなとき、思い浮かべるようにしてるのは

「ここががんばりどころ」

自分に発破をかけるときの言葉は人それぞれあると思います。僕にとってこの言葉はニュアンスが我慢しろみたいに強くなくて、ふわっとソフトに自分を応援してくれる気がします。

2020年4月10日金曜日

屏風と店は大きく広げると倒れてしまう

京都にこんな言葉があるそうです。

「屏風と店は大きく広げると倒れてしまう」

この言葉が絶対的に正しいとは思いません。ただ、この言葉を聞いたとき、僕はホッとしました。僕には醫院を大きくする能力もその考えもありませんが、この言葉はやはり大きくしなくていいのだという安心感を与えてくれました。


2020年4月3日金曜日

人はみんな自分の人生の最前線に立っている

自分の人生を誰かに替わってもらうことはできません。うれしいことも苦しいこともすべて一番前で自分が受けなければなりません。派手に活躍している人だけが最前線にいるわけではありません。人知れず生きている人も同じです。人はみんな自分の人生の最前線で一生懸命に生きているのだと思います。

2020年3月27日金曜日

上りは体力、下りは技術

登山の言葉に「上りは体力、下りは技術」という言葉があるそうです。これは登山の際や人の体力についてだけでなく、歳の取り方にも言える気がします。若い時は無理なことでも体力でいろんなことに対処できますが、歳を取ると必然的に体力だけでは対処できなくなります。でも歳を取るとそれまでの経験から知恵という技術ができて、体力ではなく技術で対処するようになります。歳を取って、下りに入ること。むしろ、それに魅力を感じます。


2020年3月20日金曜日

その季節はいつも来てくれる


今年も桜が咲き始めました。いつも不思議に思います。僕らにどんなことが起きようとも、ちゃんと計ったようにその季節は来て、その季節の花を咲かせてくれます。ありがたい。そう思います。

2020年3月13日金曜日

遅くなっても、待っておれ、それは必ず来る

僕は歴史に関するテレビ番組が好きです。歴史という観点でいくと、NHKのファミリーヒストリーも一つの家族の歴史なので好きです。先日のファミリーヒストリーはピアニストのフジコ・ヘミングウェイさんでした。

幼少期からピアノを専攻されていたお母さんから厳しい教育を受け、ドイツに留学されました。片方の聴力を失ったり、お父さんが自分の国に帰ってしまったり、国籍がなかったりと数々の逆境に耐えて、ピアノをあきらめずに続けておられました。しかしなかなか花が咲かずにいました。大切なお母さんが亡くなられたあと、日本に帰国。そんな60代のある日近所の教会でこんな言葉に出会ったそうです。

「遅くなっても、待っておれ、それは必ず来る」

この言葉に出会って1週間後にそれまで続けていた演奏会に突然NHKが取材に来たことで、ピアニストとしてブレイクされたそうです。

まさにこの言葉が現実になりました。フジコさんの人生でのご経験とこの言葉は多くの人に希望を与えてくれる。そう思いました。

2020年3月6日金曜日

無知の知

人は自分が見ている世界、見てきた世界がすべてだと思いがちです。みんなあることだと思います。ただ、それだけではないという視点を持っていると、一つの考えに凝り固まらずに楽に生きれる気がします。

2020年2月28日金曜日

傷つくかどうかは自分で決めている

最近読んだ本の中にこんな言葉がありました。

「誰かの言葉で傷つくというのはすべて自分の観念です。傷つくかどうかは自分で決めているのです」

人から傷つく言葉や態度をされたときに、その人のことを恨んだり、その人のせいにしたりすることがあると思います。これは自分の守るためには自然なことです。でも自分を守りながら、もっと楽になれる方法がこの言葉にありました。傷つくかどうかは自分で決めている。そう思うと、傷つかずにすみますし、相手を恨む必要もなくなります。これ以上に楽にしてくれる言葉はないかもしれません。その範囲を広げると、自分の気持ちを決めているのはすべて自分の観念です。つまり自分の観念次第で、自分の気持ちはコントロールできることになります。生きていく上で自分を助けてくれる言葉だと思いました。

2020年2月21日金曜日

今の景色が過去と未来の景色を決める

今の景色が過去と未来の景色を決める

どこかでこれに似た言葉を見たことがあります。

ほんとにそうだなと思います。今が辛いと輝いていた過去や希望のある未来なんて考えられません。むしろそれらがもっと辛く見えてくる。でも逆に言えば、今の景色さえ良く見えれば、過去も未来もいい景色に見えてくる。今をどう見るのか。それが一番大切なことだと思います。

2020年2月14日金曜日

治療者がプラス思考の方が臨床がうまく行く

臨床の場では問題、原因、悪い人などどうしてもマイナスな話題が出てきます。そんなとき治療をする側の僕が自分に対してマイナス思考だとその問題、原因、悪い人というマイナス思考をそのまますることになります。すると臨床はうまくいかないことが多い。ところが治療する側の自分に対してプラスの感情やイメージを持つと臨床はうまくいきます。いかに自分をプラス思考にしておくのか。それは治療の成否を決める気がします。

2020年2月7日金曜日

梅の季節


今年も梅の季節が来ました。僕は寒い季節にもかかわらず花を咲かせる梅が好きです。大阪城の梅林は梅の香りでいっぱいでした。その美しさと香りに癒されました。

2020年1月31日金曜日

まずはイエスと言ってみること

先日の新聞で「イエスは未来をひらく」という見出しで、ある金融の会社のCEOをされているアン・リチャーズさんの言葉を見ました。

まずはイエスと言ってみること。それがいつも自分を見たことのない面白い場所へ連れて行ってくれるのよ

人は何か変化を迫られたときにあれこれと考えてしまい、どうしていいのかわからなくなる時があります。そんな時にこの言葉はその人を勇気づけて、一歩前に進むために背中を押してくれるのではないかと思いました。

2020年1月25日土曜日

偉い人の話がいつも正しいわけではない

社会で偉いとされている人、~界の第一人者となると、自分の考えはもう横に置いて、その人の話を受け入れようとなることが多いと思います。僕もそんな一人です。でも実際は物事は色んな見方ができるため、偉い人が言ったことがいつも正しいということはありません。誰が一番正しいというわけでもありません。違う見方があってもいい。そう思います。

2020年1月17日金曜日

人は自分以外の人の人生を生きることはできない

先日、誰もその人の代わりにはなれないと書きました。実は逆のことも言えます。誰かの人生の主人公になろうとすることもできないと思います。恋人にとって、子どもにとって、会社にとって。自分は必要な人間だ。自分がいないとこの人はだめだ、この会社は回らない。人はそう思いたくなるときがあります。でも現実にはそれは難しい。人は自分以外の人の人生を生きることはできません。人は自分の人生を生きることで精一杯であり、自分の人生を生きればそれでいい。それ以上を生きようとしないほうがいい。そんなことを思います。

2020年1月10日金曜日

不聞

僕はお寺に行くと気持ちが楽になることが多くて、良さそうなお寺があると好んで尋ねています。

2年前に韓国の地方を旅行したときにもあるお寺を尋ねました。この写真はその時のものです。このお寺のすぐ前には海があり、境内からは海が見えました。



その参道の階段にこんな言葉がありました。以下はそれを僕の理解で意訳したものです。

不言
汚い言葉は言うな。汚い言葉は必ず自分に返ってくるもの。だからどんな時もきれいな言葉に馴染んでおくように。

不聞
人からの批判や賞賛に耳を傾けるな

不見
人の悪いところを見つけようとするな。どんな時も自分を振り返るように。

いずれも僕には印象的でしたが、特に不聞。これには最も衝撃を受けました。この3つの中で最も僕には必要なことで、最も僕の気持ちを救ってくれて、しかも今後の方向性まで示してくれている。そんな言葉です。

2020年1月3日金曜日

お正月も他の日もすべて特別な日

明けましておめでとうございます。

新しい年を迎えて、気持ちを新たにしたり、目標を立てる方も多いと思います。それも大切なことだと思います。ただ僕はそうは考えていません。

1年の始まりの日も他の日もすべて特別な日だと思っています。その日を特別な日と意味付けをしたら、それは特別な日となります。本当はどの1日も人生において同じように大切なはずです。1日の価値は同じです。なので1年の始まりに気持ちを新たにしたり、目標を立ててもいい。でも他の日にそれをしてもいい。何もお正月だけが特別な考えが浮かんだりするわけではありません。実際、人生の転機はお正月だけに現れるわけではありません。

毎日の今日という特別な1日を過ごす。そう思っています。