人は交流がないとその人のことを悪い方向に考えがちです。かといって、無理に交流する必要もありません。交流がない人のことをあまり考えすぎない方がいい。あれこれ考えたところで結果は変わりません。それなら自分の心の平穏について考えたほうがいいなと思います。
2023年9月29日金曜日
2023年9月22日金曜日
福岡にて
学会で福岡に行ってきました。僕は個人的に福岡が大好きです。行くたびに感じることですが、人がやさしい、食べ物が高くないのにおいしい、街が大きすぎなくて移動がスムーズ。これら3つ街を訪れる人としてはとても大きな条件です。今回の滞在中、福岡の空は広くてきれいだなと思っていたら、よく考えると高層マンションなどの高い建物がないのです。それが気になってタクシーの運転手さんになぜ福岡は高い建物がないのか尋ねると、市内に福岡空港があるので建物の高さに制限があり、高層マンションなどはすべて郊外にあるのだそうです。高い建物は正直疲れます。それがない福岡がまた好きになりました。
2023年9月15日金曜日
2023年9月8日金曜日
人は他人には変化せずにいることを望む。自分は変化しているにもかかわらず。
自分を含めたいろんな人を見て、そう思いました。すべてのものは変化せずにはいられない。どこかで聞いたこんな言葉を思い出しました。
2023年9月1日金曜日
大切なのは入口ではなく出口
何かの契約をするとき、そこの職員さんはお客さんを大事にしてくれます。僕が経験したのは携帯電話の契約、不動産屋さんでした。とても丁寧な言葉遣いと接遇で接してくれます。でもその契約を終えるとき、その人たちの態度は真逆でした。
仕事で大切なのは入口ではなく出口だと僕は思います。なぜなら次また利用してもらえるかどうかは、出口を出るときのお客さんの気持ちで決まってしまうからです。仕事が成り立つかどうかは継続的に利用者がいるかどうかが生命線です。逆に出口を大切にしていると、また利用したいと思うお客さんが増えていく。そんなことを思いました。
2023年8月25日金曜日
同じことをやるんじゃない
子どもを亡くした家族はずっとそこに止まってる。僕らは先に進んでいくけど。そのご家族のことも忘れたらあかんと思うんですよ。それで僕らができることって言うんのは、同じことをやるんじゃなくて、ちょっと変えて、ちょっと変えて、あるときはがっと変えて。
先日のプロフェッショナルに出ておられた小児心臓外科医の山岸正明先生の言葉です。心にグサッと突き刺さる言葉でした。次に同じことが起こらないように医者として常に変化し、進歩し続ける。肝に銘じたいと思いました。
2023年8月18日金曜日
台風の日に
先日の台風が大阪を直撃した日、キャンセルが多くなることはわかっていましたが、予約してくださってる方がおられるので開院しました。どれくらいの方が来てくださるか予想がつきませんでしたが、何人かの患者さんが来てくださりました。するとその中に台風の中でも診てもらえたと感謝してくださる方がおられたのです。僕と当院のスタッフとしては内心、台風の中でもよく来てくださったなという気持ちでいたので、驚きというか嬉しさというか、なんとも言えない気持ちになりました。しかもいつもよりも時間的な余裕がある分、僕を含めてスタッフ全員がゆったりとした気持ちで患者さんたちに接することもできました。その日の朝は僕ら全員が不安が大きかったのですが、無事に診療を終えることができた上に、患者さんからまた力をもらえたとみんなで一緒に喜びました。僕らが患者さんたちの力になれることがあるかもしれませんが、患者さんたちも僕らに力をくれる。改めてそう思わせてくれる台風の日の出来事でした。
2023年8月11日金曜日
10年という節目に
8月6日で開業してから10年が経ちました。こういうとき、あっという間という言葉を使う人を見てきたのですが、僕にはそんな感覚はまったくありません。本当にたくさんのことがありました。雇用者から雇用主になることは、僕の世の中の見方を大きく変えてくれました(言うまでもないですが、どちらに優劣があるわけではありません)。今はその機会をいただけたことに心の底から感謝しています。そしてもう一つ大きな感謝があります。これまでたくさんの患者さんに来ていただき、たくさんの人に働いてもらいました。もちろん今も通院してくださる患者さん、働いてくれているスタッフがいます。そして周囲から醫院を支えてくださる方がいます。そんなすべての人たちのおかげで今も診療を続けられていることに感謝しています。
2023年8月4日金曜日
強くなるときって、負けたあとなんだよね
先日のNHKで紹介されていた柔道家の古賀稔彦さんの言葉です。子どもたちに柔道を教えているときに出てきた言葉でした。一見どこにでもありそうな美しい言葉なのに、とても胸に突き刺さりました。言葉が力を発揮するかどうかはその人の状態によって変わりますが、がんばったのに結果が出ないとき、この言葉は人を救ってくれると思います。
2023年7月28日金曜日
この世にはすべてのお客さんを満足させられるお店は存在しない
すべてのお客さんを満足させたいと思うのが自営業をしている人の思いではないでしょうか。そんなとき、ふと思った言葉です。お客さんの考え方は千差万別であり、有能な社長がスタッフをいくら教育しても考え方をすべて同一のものにすることは不可能、有能な社長も完璧なわけがない、お客さんのその日のコンディション、スタッフのその日のコンディション、予期せぬアンラッキーなことが起こるなど、お客さんが満足できない状況が起こる要素は無限にあります。
2023年7月21日金曜日
マクナマラの誤謬
先日の映像の世紀は「マクナマラの誤謬(ごびゅう)」でした。恥ずかしながら僕はこの言葉をこの番組を見てはじめて知りました。以下にNHKのホームページにあった文章を転記します。
数字にばかりこだわり、物事の全体像を見失うことを「マクナマラの誤謬」という。この言葉の由来となったのがアメリカの国務長官を務めたロバート・マクナマラ。マクナマラはデータ分析を駆使してベトナム戦争に勝利しようとしたが、数字では測れないベトナム人の愛国心やアメリカ市民の反戦感情に目を向けず泥沼の戦争を招いた。
この番組の最後に「マクナマラの誤謬」という言葉を作った社会学者ダニエル・ヤンケロビッチの言葉が以下のように引用されていました。
20世紀になって私たちは数字で測れるものはすべて計測するようになりました。計測できるものは計測して、計測できないものは忘れようと考えるのは致命的な失敗への第一歩なのです。
本当にそうだなと思いました。数字はとてもわかりやすく説得力を持たせてくれます。でも数字至上でものを考えることは違うのだと思いました。僕が勉強している精神療法(対話で患者さんを治す治療法)は数字で測れるものではありません。なぜなら患者さんは一人一人違うし、同じ患者さんでもその時によって状態や考えは変わります。当然、治療者である自分もそのときによって変わります。精神科医は対話で治療する医者であるため、ハンコで押したように同じ治療を提供することは不可能です。つまり精神療法はすべて、毎回、一期一会なのです。それを診断名などでまとめてひとくくりの数字で評価してしまうのはとても危険だと僕は思っています。同じ診断名でも各患者さんごと、そのタイミングごとですべて違うからです。そう考える僕にとって「マクナマラの誤謬」という言葉は大きな勇気を与えてくれました。
2023年7月14日金曜日
プロとしてやらせていただいている以上、当たり前のこと
2023年7月7日金曜日
駅で男同士が別れるとき
先日韓国に行ったとき大きなターミナル駅で僕は親戚の兄さんが来られるのを待っていました。兄さんの電車が遅延して、暇ながらも待つしかないのでただただそこにいる人たちを見ていました。久しぶりの再会を喜ぶ人たち、しばらく会えなくなると別れを惜しむ人たち。その中に50代くらいに見える中年男性の友達同士が別れの挨拶をするが目に入りました。日本に比べれば、韓国では同性同士でも抱き合い、手をつなぎ、人対人として愛情表現をはっきりとします。駅まで送りに来た方の男性が友人を抱きしめて頬にキスまでして、見送っていました。空気感から同性愛というものではなく、本当の親友との別れを惜しむ姿でした。抱擁とキスを受ける友人も恥ずかしがりながらもとてもさみしそうに見えて。その後、お互いが身体が離れて手を振った後、お互いをまた振り向いて見るのかと思えば、二人ともすぐに目的の方向をまっすぐに向いて歩き出すのです。僕ならもう一度相手の姿を見て、目を合わせたくなるのに、それをしないで別れたあとは潔い。これが男同士の別れなのだと感じました。お互い内心でやせ我慢しているはずなのにそのそぶりは一切見せない。50年以上の人生の中でこれまで何度となく別れを経験したことで、引きずると自分がしんどくなるのがわかっているかのように。その数分間にいろんなことを思いました。
2023年6月30日金曜日
屋久杉は厳しい環境で育つため、丈夫で長生きする
先日のブラタモリは屋久島でした。 屋久杉は本州の杉に比べて年輪の幅が狭い。それはゆっくり成長している証拠だそうです。屋久島は花崗岩の岩山なので、もともと土地自体に栄養が少ない。そのため少しずつしか育てない。その分、年輪が詰まった丈夫な木になれる。本州の杉の樹齢は500年、屋久杉は1000から2000年。厳しい環境でゆっくり育つため、丈夫で長生きするのだそうです。人間みたいだと思いました。簡単に育つと弱いけど、厳しく育つと強くなる。子ども、大人を問わず、人は生きることで自分の年輪を作っていっている。厳しい環境で生きることはとても辛いことだけど、そのほうが実は強くなれることもある。そんなことを思いました。
2023年6月23日金曜日
人生は思い通りにならないことに気づいていく過程
生きていく中でこんなことを考えるようになりました。年齢が上がっていけばいくほど「物事は思い通りになる」という信念が薄まっていきます。その最たるものが身体です。身体は老化によって自然に動きが悪くなっていきます。その一つ一つを受け入れるのは大変なことですが、身体が思い通りにならないなら、それなりに生きていくしかありません。でもそれに合わせて生きていくと、それはまたそれなりに生きていける。そう考えると、大きな流れに抗わず生きていくことが良い生き方なのではないかと思います。
2023年6月16日金曜日
ありがたい絵
2023年6月9日金曜日
上見て生きろ、下見て暮らせ
作家の開高健さんの言葉だそうです。この言葉はいろいろ解釈されているようですが、僕は「志は高く、日々は地味なことを積み重ねろ」と解釈しています。地面を見ながら山を登っていたら知らない間に頂上に着いていた、というのと似ている気がします。そんな解釈が人を元気にしてくれる。そう思います。
2023年6月2日金曜日
続けることだけが私の才能
先日亡くなった俳優の奈良岡朋子さんは19歳から93歳まで現役の俳優、ナレーターとして活躍された方です。若いころに同じ劇団の大滝秀治さんと互いを励ましあうために、いつも交わしていたのがこの言葉だそうです。現状が辛すぎたり先が見えなかったりするとき、この言葉は勇気づけられる言葉だと思いました。
僕自身も子どものころから何か特別なものを持てなかったので、何か一つ少しでもできることを見つけたら続けることだけを意識してきました。たとえば、このブログを書き始めて今年の4月で10年が経ちました(途中のブログは内容が今の僕の考えとあまりに乖離しているので削除しています)。「ほかの事はできないけど、これは自分でもできる」と思うことについては継続することを大切にしよう。奈良岡さんの言葉を聞いて改めてそう思いました。
2023年5月26日金曜日
人が感動するのは手間をかけたもの
去年のお正月にふと小説が書きたくなって、去年の1年間小説を書く学校に通っていました。そこには入学式というものがあり、プロの小説家やセミプロの講師の先生が新入生に激励の言葉をくださいます。そこである先生がこんな言葉を言っていました。
いい小説とは手間ひまかけたもの
この言葉は僕のようなど素人が実際に小説というものを書いても、痛感させられるものでした。でもこれってよく考えると、どんなものにでも言えることなんじゃないかと思いました。文章はまさにそうですが、芸術、料理、サービス、人がしたものに人が感動するのはすべて、人が手間をかけてきたものなのです。その手間ひまに思いを馳せたとき、人は感動するのだと思います。
2023年5月19日金曜日
回り道をした分だけ多くのことが見える
돌아서 간 만큼 많은 것이 보인다
(人生は)回り道をした分だけ多くのことが見える
誰が言った言葉かはわかりませんが、僕が好きな韓国語です。人生は自分の思い通りにはならないものでありながら、なんとか自分の思い通りにしたいと努力し、迷い、挫折するものです。一見あまりに無駄に見える時間もあると思います。でも回り道をしたらそれだけ見えてくるものも多くなる。もっと言うならば、人生に無駄なことはない。そんなことをこの言葉は教えてくれる気がしました。
2023年5月12日金曜日
諦めることで道は拓ける
先日の新聞に出口治明さんの言葉がありました。出口さんは生命保険会社の仕事を経て、現在は大学の学長をされている方です。僕もいくつかご著書を読ませていただいて、知的好奇心をくすぐってくれる内容、テレビでお見受けしたときの語り口に、とても魅力的な方だと思っています。以下は出口さんの言葉です。
どこに居合わせるかは運命で、どう適応するかは自分次第。ならば川の流れに身を任せ、岩にぶつかったり濁流にのまれたりしながら流れ着いた場所でベストを尽くそう。諦めることで道は拓ける。
諦めるという言葉には、ギブアップという意味以外に、苦難とともに「やる」と決めることという意味があるそうです。人は自分の選択とは言え、思い通りにならないこともたくさんあります。あるいは望んでもいないのに苦難に立たされることがあります。それならその現状を心の底から受け入れて、その中で最善を尽くす。そうすれば、自分が思いもしなかったことが始まり、そこに道ができる。ある程度の期間人生を生きてきている人であれば、誰もが理解できる、あるいは経験したことのある話ではないかと思いました。出口さんは先日脳卒中に倒れ、今は毎日リハビリをしながら、学長とのしての仕事を続けておられるそうです。言葉と行動が一致することのカッコよさを感じました。
2023年5月5日金曜日
営業をしないことが最高の営業
先日、眼鏡を修理したくてある眼鏡屋さんに入ったときのことでした。僕の使っている眼鏡と同じメーカーの部品まではなくて完全な修理はできないという話でした。しかし、対応いただいた男性は僕の眼鏡を見て、「まずは眼鏡をきれいにしますね」と言いながら、眼鏡をきれいにしてくれました。その後も同じような眼鏡がないかを尋ねるといくつかおすすめをしてくれるのです。いつもの営業のような感じで来られるのかなと思って「修理はできないけど、この眼鏡ってまだ使えますか?」と聞くと、「もちろんです。まだまだ大丈夫ですよ」と言ってくださいました。これまでのお店だと次の商品を売ろうと、あれこれ理由を説明されていたのに、売ってやろうという変な欲がないことを感じました。それがとても心地よくて、ついほかの眼鏡を買ってしまったのです。
仕事になると売り上げを気にして営業をしてしまうのが多く人の人情だと思います。それよりも、目の前のお客さんが何を望んでいるのか、その人にとって最善のものを提供する。それが最高の営業になるのだと学びました。
2023年4月28日金曜日
我が子をおんぶしてあげたいお父さんの気持ち
先日のNHKのニュースで、宮崎県でオーダーメイドの車いすを作るパキスタン人の職人、ハビブ・ウル・ラハマンさんのことを知りました。ハビブさんのお兄さんが体が不自由な方で、電動車いすのことを勉強するために日本に留学され、そのまま日本で職人として活動されているそうです。
そのニュースでこんなお話がありました。ハビブさんのクライアントの中に、手足が不自由な男性がおられました。その男性は父親として子どもをおんぶして遊んであげたいという願いがありました。その願いをかなえてあげるためにハビブさんは子どもがお父さんの後ろに安全に乗れる電動車いすを作ったのです。お父さんの電動車いすの後ろにお子さんが乗って、親子で一緒に走り回っている姿を見たとき、僕は涙が止まらなくなりました。ほんの1分ほどのストーリーだったと思います。父親なら誰しもが持つ願いです。忘れられないニュースを見ました。
2023年4月21日金曜日
余部鉄橋
僕は以前、兵庫県の北部の豊岡市にある公立豊岡病院で1年間だけ勤務していたことがあります。つい先日のNHKの「小さな旅」で、余部鉄橋が出ていて、そのときのことを思い出して懐かしくなってとても楽しく見させていただきました。当時僕が働いていたNICU(新生児集中治療室)の看護師長さんが余部の出身の方だったことを思い出したからです。
「小さな旅」の中で、1912年に余部鉄橋ができて、当初は鉄橋に駅がなかったので余部の方々は山に登って鉄橋をつたって隣に駅まで2km歩いて通学、通勤をしていたそうです。それが1959年に地元の人たちが力を合わせて、それこそ小学生たちは材料の石を運ぶなどして駅を作ったそうです。地元の人たちが力を合わせて町を発展させることは珍しいことではないかもしれませんが、このエピソードは47年間も駅がなかったことを考えると、地元の人たちの世代を超えた積年の思いが多くの人の心を動かしたのだと思います。
2023年4月14日金曜日
大阪の造幣局の通り抜けの桜
久しぶりに大阪の造幣局の通り抜けに行ってきました。今は予約制になっていました。ソメイヨシノに比べて背が低く、まじかに迫ってくるような色とりどりの桜。ここには全部で140種あるそうです。この写真はまるで桜の天井のようでした。自然から癒しと力をもらえることはありがたいです。
2023年4月7日金曜日
一度わかってしまえば簡単に見えることってたくさんある
最初は複雑で難しく感じることでも、 一度わかってしまえば簡単なことってたくさんあります。僕はあるコーチからゴルフを教えていただいてるのですが、何度言われてもわかったような、わかっていないような。途中でコーチがあきれているのが伝わってくるのです。コーチにとってはとても当たり前のことが、僕にとっては全然当たり前ではないのです。これは育児も同じです。大人にとって当たり前のことは、人生が始まったばかりの子どもには全然当たり前ではないのです。それを理解するまでに子供なりに悩んで、それからはじめてわかる。一度わかってしまうと簡単に見えてくる。多くの物事は一度わかってしまえば、簡単に見えるのが当たり前なのでしょう。
2023年3月31日金曜日
どんなお客さんが来るかは店主次第
僕もお客さんとしていろんなお店を訪ねます。店主の言葉が荒ければ、お客さんも言葉が荒い人が多い。店主が物静かな人であれば、お客さんも物静かな人が多い。店主が愛煙家なら、お客さんも愛煙家が多い。そのときに思うのが店主が客層を決めるということ。どんなお客さんが来るかは、店主次第です。類は友を呼ぶではないですが、仕事という公的な場でも、プライベートの私的な場でも、結局のところ店主も人ですから、その人に合った人が来ることになるのでしょう。
2023年3月24日金曜日
「努力」という言葉
先日のNHKの「かんさい熱視線」は先日亡くなられた元南海ホークスのプロ野球選手、門田博光さんでした。
「努力は報われるって言うけど、報われないのは努力が足りないから」
門田さんの言葉だそうです。この言葉に門田さんの思いが乗っているみたいで、ジーンと来ました。今は努力を厭う時代ですが、僕は「努力」という言葉が好きです。
2023年3月17日金曜日
変わらないととわかっていても
変わらないととわかっていても変われないのが人です。そうやって自分の気持ちでさえ、思い通りにできないのが人ではないでしょうか。それを思うと、自分以外の人の気持ちを変えようなんて、さらに容易ではないように思います。
2023年3月10日金曜日
生きていくのはそんなに悪いことじゃねえ
先日、NHKで「インタビューここから」という番組に映画監督の山田洋次さんが出演されていました。
山田さんは中学生のころに第二次世界大戦の日本の敗戦によって旧満州から山口県に引き揚げてきたそうです。それに伴いお父様は失業しており、中学生の山田さんは竹輪の行商をしていました。竹輪が売れなくてどうしていいかわからないとき、売れ残りの竹輪を買ってもらおうと、西宇部の駅前にあるおでん屋さんに入ったそうです。
「おばさん、竹輪、安くしとくから買いませんか?」
「あんた、中学生かい?」
「はい」
「どうして行商してるんだい?」
「父が失業しまして」
「全部買ってあげるから、そこに置いていきなさい。これから売れ残ったら全部持ってきなさい」
お金をもらって店を出たとき、山田さんは涙がぽろぽろこぼれたそうです。
「生きていくことはそんなに悪いことじゃねえ」
そう思ったそのときの経験が山田さんの映画監督としての人生を貫くことになったそうです。
2023年3月3日金曜日
成熟度
人に優劣はない。どこかで読んだこの言葉を信じて生きてきました。しかし、実際には僕の未熟さのせいか、視野の狭さのせいか、人には優劣があると思わざるを得ないことに出会います。でもそれが本当に優劣なのかというと、それも自分の中でピタッと来ませんでした。そのときふと思ったのが成熟度という言葉でした。一般に子どもは未熟です。でも成長していくことで、成熟してきます。10代くらいになってくるとすでに成熟している人もいれば、高齢でも成熟していない人もいます。かと言って、未熟であるから劣っていて、成熟しているから優れている、そればかりではありません。未熟であることは純粋と言えるし、成熟は擦れすぎているとも言えます。そこには優劣はない。人は成熟度のグラデーションの中のどこかにいるのではないか。そんなことを考えました。
2023年2月24日金曜日
人生は決して長くない
先日のNHKで「消える故郷へ帰るとき」と題して、高知県の椿山という歴史ある集落が消滅集落になったところに、椿山出身の一人の男性が帰ってくるというお話がありました。実はNHKが番組として1976年にその男性のご両親を含めた家族を撮影しており、それからも約20年おきに撮影されていた映像を合わせて見せてくれていました。そこには親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ち、故郷である椿山を愛する人々の気持ちがありとても感動しました。でも僕にはもっと心を揺さぶられる衝撃がありました。それは映像で20年ごとの人の外見の変化を連続で見せられると、人が老いていくのを目の当たりにせざるを得ません。とても当たり前のことです。でも人は昨日と今日は同じ姿だと思っています。そんなわけはありません。生物学者の福岡伸一先生が「生物学的にも人は昨日と今日では違う」という話を思い出しました。人の身体は刻一刻と変わっている。人生は決して長くない。そんな当たり前のことを確認させられました。
2023年2月17日金曜日
2023年2月10日金曜日
誰かを助けているように見えて、実は誰かに助けられているのかもしれない
歴史が好きで、最近はNHKの「映像の世紀」をよく見ます。先日は危機の中の勇気というテーマでした。
2001年1月26日に東京の新大久保駅で起きた人身事故がありました。線路に転落した男性を助けるためにある男性が線路に降りて助けようとしました。そのとき電車が入ってきて線路にいた人全員が亡くなったのです。助けようと線路に降りたのが韓国人留学生の李秀賢(イスヒョン)さんでした。
2007年1月26日、つまり6年後の同じ日のことでした。今度は上野駅で線路から人が転落し、それを線路に降りて助けた男性がいて、そのときはみなさんの命は助かったのです。線路に降りて助けたのは山本勲さん。李秀賢さんのお母さんが書かれた本を読み、映画化されたものも見たのだそうです。それによって当時の山本さんは「行け!」という勇気を本能的にもらったと語っておられました。しかし、線路から転落した方はその後亡くなりました。
その後、山本さんは亡くなられた方の奥様からの手紙を受け取ります。そこには「主人との別れの時間が持てましたことが嬉しく深く感謝申し上げます」と書かれていました。当時の山本さんは事業で行き詰まり、生きる気力をなくしていたそうです。その手紙を受け取って、山本さんは次のように語っておられました。
一歩間違えれば、自分が逆の立場で死んでいたかもしれない。だとすれば、逆に自分が助けられたのではないか。もう少し頑張っていかなきゃいけないっていう勇気をもらいました。
人というのは、誰かを助けているように見えて、実は誰かに助けられているのかもしれません。
2023年2月3日金曜日
自分でできたほうが自由になれる
ソロで生きていくことができる人間でありたい
NHKの番組で作家の沢木耕太郎さんがおっしゃっていた言葉です。
その理由は(たとえば炊事、洗濯)何をするにしても自分でできたほうが自由になれるから。なにかひとつが自分でできるということは、ひとつ自由になれるということ。
なるほどと思いました。多くの人は自分でするよりも、代わりに誰かにしてもらうほうが自由になれると思っています。でもそれは勘違いかもしれません。
2023年1月27日金曜日
承認欲求、あっていい
承認欲求が強い人、なんて表現をよく耳にします。でもそれがない人がこの世にいるのでしょうか。それがあるから人は生きていられるのではないでしょうか。僕は承認欲求って人が生きていく上で、苦難を乗り越える上で、目標に向けてがんばる上で不可欠なものだと思っています。
2023年1月20日金曜日
足りていないと思うとしんどくなる、満たされていると思うと楽になる、たまにそこに戻ればいい
なんでもそうだと思いますが、 足りていないと思うとしんどくなります。満たされていると思うと楽になります。でも人は常に足りないものを探したり、そこをなんとか埋めようとしてしまうものです。人はいつも賢明で、自在に自分の気持ちをコントロールできるわけではありません。それが人間だし、その過程を経るからこそ人は成長していけるのだと思います。ふとしたときに戻る考え方の一つとして、足りていないと思うとしんどくなる、満たされていると思うと楽になる、そう考えればいいのだと思います。
2023年1月13日金曜日
自分のケア
これまで体力まかせに走るばかりで、自分のケアを意識することはなかったのですが、 四十を超えてから自分の心のケア、最近になって自分の身体のケアが必要なことになんとなく気づくようになりました。それで整体の先生に通うようになりました。僕自身が気づいている以上に、一日のほとんどの時間を同じ姿勢で緊張して過ごしているようで、整体の先生がそれを一つずつほぐしてくださります。しかもその先生は治療者によくありがちな「私は専門家だから私の考えが正しい」みたいな押し付けではなく、僕の身体を触りながら、その都度身体の状態をアセスメントされます。不思議と施術を受けているとそれが伝わってくるのです。先生に緊張で固まっている筋肉をほぐしてもらうと、自然に涙が出てくるときがあります。感情的には悲しくもうれしくもないのに涙が出る。その瞬間に心まで和らぐ。既視感の強い言葉ですが、心と身体はつながっているのだと実感するときです。整体の先生は多くを語られませんが、僕にとっては施術を受けているだけでいろんなことを考えさせてくれる時間です。
2023年1月6日金曜日
改めて感謝
ある土曜日の午後のことでした。その日は午後から用事があり、診療後急いで電車に乗りました。乗り換えの駅で降りたとき、人がいっぱいのホームでさっき診察させてもらった患者さんの後姿が目に入りました。それだけで胸がジーンとしてきました。その駅はターミナル駅な上に土曜日の午後で人があふれています。その方はそれををかき分けて帰宅されているところでした。(ほかの患者さんも含めて)患者さんはこういう中を通院してくれてるんだ。そう思いました。もちろんその日の外出の目的が通院だけでない場合もあると思いますが、それでも僕としてはありがたいです。普段、僕は患者さんの通院の道中の姿を見ることがないので気づけませんでした。今さらながらで恥ずかしいですが、改めて通院してくれている患者さんたちに感謝した日でした。