原因が片方だけにあるなんてありえない
先日、すごく礼儀正しい高校生に出会いました。大人に対してきちんと大きな声で挨拶し、扉を閉める時にも音が出ないようにそうっと閉めます。その時、思わず「お母さんがきちんと教育されたんだな」という言葉がつい口から出ました。でも少し考えてみると、これはお母さんだけが良かったわけではなく、この高校生にもそのお母さんの教育を受け入れるだけの土壌があるのだろうと考え直しました。教育が大事だとよく言われます。それは紛れもない事実でしょう。ただ、同じ教育を同じ親から受けたからと言って、同じ兄弟でも結果は違います。一般的に子供は素直で純粋である可能性が高いという意味で、一律にはしやすいと思いますが、それが必ずしも同じ結果は生みません。勉強が好きな子と勉強が嫌いな子に同じ勉強面での教育を受けてもらっても、同じ結果にはならなりません。教育をする側だけの原因ではなく、それを受ける側にも原因は生じます。これは全ての物事に言えると思います。僕たちはいいことであれ、悪いことであれ、常に一方通行の原因で考えがちですが、実際には双方に原因があります。さらに言うならば、双方によって一つの結果が生まれるということです。この考え方があれば、一つの物事を見たときに、どちらだけのせいにしなくていいので、全体を俯瞰しやすく、自分の気持ちが非常に楽になります。
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