2019年7月5日金曜日

精神療法に自分の強い思いは邪魔になる

人はそれぞれ自分なりの経験や周囲からの教えを通して、「~であるべきだ」というような強い思いを持つことがあります。これは人生において困難に出会ったときに、それを乗り越えていくための助けやエネルギーになることがあります。その強い思いは人生において非常に大切なものと言えるでしょう。ただ、それは人に楽になってもらうための精神神療法では邪魔になることがあります。もしその人の口から出た内容が自分の強い思いとずれていたり、反対の内容が出てくると、どうしても普段から自分が大切にしている自分の強い思いが先行して、その人の話を否定的に捉えてしまいます(これは無意識下でも起こっていることがあります)。すると、話をしている人の立場としては否定されたと捉えてしまい、治療はうまくいかなくなります。精神科医も人ですので、当然何らかの自分の強い思いはあります。ただ、精神療法を行う際、つまり人の話を聞くときにはその強い思いは横に置くという切り替えができることが大切です。これは僕自身も常に気を付けなければならないと思っています。

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