歴史が好きで、最近はNHKの「映像の世紀」をよく見ます。先日は危機の中の勇気というテーマでした。
2001年1月26日に東京の新大久保駅で起きた人身事故がありました。線路に転落した男性を助けるためにある男性が線路に降りて助けようとしました。そのとき電車が入ってきて線路にいた人全員が亡くなったのです。助けようと線路に降りたのが韓国人留学生の李秀賢(イスヒョン)さんでした。
2007年1月26日、つまり6年後の同じ日のことでした。今度は上野駅で線路から人が転落し、それを線路に降りて助けた男性がいて、そのときはみなさんの命は助かったのです。線路に降りて助けたのは山本勲さん。李秀賢さんのお母さんが書かれた本を読み、映画化されたものも見たのだそうです。それによって当時の山本さんは「行け!」という勇気を本能的にもらったと語っておられました。しかし、線路から転落した方はその後亡くなりました。
その後、山本さんは亡くなられた方の奥様からの手紙を受け取ります。そこには「主人との別れの時間が持てましたことが嬉しく深く感謝申し上げます」と書かれていました。当時の山本さんは事業で行き詰まり、生きる気力をなくしていたそうです。その手紙を受け取って、山本さんは次のように語っておられました。
一歩間違えれば、自分が逆の立場で死んでいたかもしれない。だとすれば、逆に自分が助けられたのではないか。もう少し頑張っていかなきゃいけないっていう勇気をもらいました。
人というのは、誰かを助けているように見えて、実は誰かに助けられているのかもしれません。
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