先日、NHKで「インタビューここから」という番組に映画監督の山田洋次さんが出演されていました。
山田さんは中学生のころに第二次世界大戦の日本の敗戦によって旧満州から山口県に引き揚げてきたそうです。それに伴いお父様は失業しており、中学生の山田さんは竹輪の行商をしていました。竹輪が売れなくてどうしていいかわからないとき、売れ残りの竹輪を買ってもらおうと、西宇部の駅前にあるおでん屋さんに入ったそうです。
「おばさん、竹輪、安くしとくから買いませんか?」
「あんた、中学生かい?」
「はい」
「どうして行商してるんだい?」
「父が失業しまして」
「全部買ってあげるから、そこに置いていきなさい。これから売れ残ったら全部持ってきなさい」
お金をもらって店を出たとき、山田さんは涙がぽろぽろこぼれたそうです。
「生きていくことはそんなに悪いことじゃねえ」
そう思ったそのときの経験が山田さんの映画監督としての人生を貫くことになったそうです。
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