アスリートのテレビや本が好きでよく見ます。そこには自分を磨いて勝負に勝つまでの道のりがいろんな言葉を使って書かれています。自分を磨いていく、高めていくことは臨床をする僕も同じです。一方で、アスリートには対戦する相手がいて、その人よりも勝つことが求められますが、僕にとっては患者さんは勝たなければいけない相手ではありません。少なくとも患者さんはよくなりたい、楽になりたいと思っているため、言うならば同士や仲間みたいなものです。
ただ、一つ臨床でよく起こる現象があります。患者さんはご自身がすごくしんどい状態にいるため、時に治療者に対して一見すると敵意かと思えるような興奮した行動をとられることがあります。当初、僕はそれを患者さんから僕への敵意なのだと考え、それになんとか勝たねばならないと思っていました。しかしそれは間違いです。それは決して僕ら治療者に対する敵意ではなく、ご自身がしんどいということのメッセージです。それがわかるまでに僕は時間がかかってしまいました。でもそれがわかってからはそんな気持ちは消えて、臨床が楽になりました。
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