先日韓国に行ったとき大きなターミナル駅で僕は親戚の兄さんが来られるのを待っていました。兄さんの電車が遅延して、暇ながらも待つしかないのでただただそこにいる人たちを見ていました。久しぶりの再会を喜ぶ人たち、しばらく会えなくなると別れを惜しむ人たち。その中に50代くらいに見える中年男性の友達同士が別れの挨拶をするが目に入りました。日本に比べれば、韓国では同性同士でも抱き合い、手をつなぎ、人対人として愛情表現をはっきりとします。駅まで送りに来た方の男性が友人を抱きしめて頬にキスまでして、見送っていました。空気感から同性愛というものではなく、本当の親友との別れを惜しむ姿でした。抱擁とキスを受ける友人も恥ずかしがりながらもとてもさみしそうに見えて。その後、お互いが身体が離れて手を振った後、お互いをまた振り向いて見るのかと思えば、二人ともすぐに目的の方向をまっすぐに向いて歩き出すのです。僕ならもう一度相手の姿を見て、目を合わせたくなるのに、それをしないで別れたあとは潔い。これが男同士の別れなのだと感じました。お互い内心でやせ我慢しているはずなのにそのそぶりは一切見せない。50年以上の人生の中でこれまで何度となく別れを経験したことで、引きずると自分がしんどくなるのがわかっているかのように。その数分間にいろんなことを思いました。
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